【ソフトバンク】山川穂高、決意の入団会見「マイナスからのスタート」…処分なし来季開幕から出場可能

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2023.12.20(水) 05:00

入団会見で、笑顔なくソフトバンクのユニホームにそでを通した山川(左は三笠取締役GM=カメラ・渡辺 了文)

 ソフトバンクは19日、西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使した山川穂高内野手(32)の獲得を発表し、ペイペイDで入団会見を行った。背番号は25。4年総額16億円超の大型契約で加入した大砲は「マイナスからのスタート」と再出発を誓った。入団発表と同日に小規模の会場で会見が開かれるのはFA移籍では異例となる。

 山川の48日ぶりの肉声は謝罪から始まった。「まず、ここまで決断に時間がかかってしまい、申し訳なく思っています」。終始眉間にしわを寄せ、伏し目がち。黒いスーツに黒いネクタイを締め、50分間で一度も笑顔はなかった。

 5月に自身の不祥事が発覚。西武から無期限の公式試合出場停止処分を科されたが、4月に右ふくらはぎ痛で登録抹消になった際の故障者特例措置により10月に国内FA権を取得し、11月14日に文書で権利行使を表明した。同1日を最後に沈黙を貫いていたが「ライオンズファン、ライオンズ球団、プロ野球ファン、全ての関係者の方に、多大なるご迷惑をおかけしたことを重ねておわび申し上げます」と約3秒間、深く頭を下げた。「マイナスからのスタートになると思っています。これまで以上に自覚を持ち、責任ある行動を取りたい。新人の気持ちで全力で頑張ります」と決意を表明。厳しい声も覚悟の上だ。「当然のこと。野球で結果を出して許してほしいとは思っていません。根本から変わるしかない」と硬い表情のまま言った。

 かねて水面下で調査を続けてきた球団は、山川のFA宣言を受けて特別調査チームを結成。強制性交の疑いで書類送検され、8月に嫌疑不十分で不起訴処分となった女性問題などを1か月かけて調べてきた。三笠GMは「多方面の聞き取りを行い、不起訴となった経緯について理解を深めました。本人も深く反省していますし、野球に真摯(しんし)に向き合う姿勢と気持ちを確認した上で、必要な戦力と判断した」と説明。西武では公式戦出場停止処分を受けていたが、ソフトバンクとして処分はなく、来季開幕から出場できるという。

 家族のサポートにも感謝した。「妻はこんなことをしてしまったのに、いつも『頑張ろうね』とか励ましてくれたので、もう裏切るようなことは絶対しないように。(移籍については)『任せる』と言ってくれた」。獲得については球団だけでなく、地元テレビ局にまで苦情の声が届いている。待っているのは茨(いばら)の道。それでも「引退も考えた」という男がやり直す機会は残されている。野球と向き合うことで証明するしかない。(中村 晃大)

 ◆山川を巡る騒動の経緯 「文春オンライン」が5月11日、山川が昨年11月に当時20代の知人女性に対して、都内のホテルで性的な暴行を加えたとして被害届が出されていると報道すると、球団は翌12日に「総合的に判断してコンディション的に」との理由で山川の出場選手登録を抹消。5月23日に強制性交容疑で書類送検され、8月29日に不起訴に。球団は9月4日に無期限の公式試合出場停止処分を科したが、非公式戦にあたる10月の「みやざきフェニックス・リーグ」に実戦復帰した。

 ◆山川 穂高(やまかわ・ほたか)1991年11月23日、沖縄・那覇市生まれ。32歳。中部商では甲子園出場なし。富士大から2013年ドラフト2位で西武入団。18、19年に本塁打王に輝き、18年にMVP。22年は本塁打と打点の2冠。ベストナイン3度。3月のWBC日本代表。通算786試合、打率2割5分6厘、218本塁打、575打点。176センチ、103キロ。右投右打。今季年俸2億7000万円。

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