巨人から移籍のポランコが２６本塁打。近藤（ソ）、浅村（楽）とタイトルを分け合った。３人が同じ本数で並んだ本塁打王は、１リーグ時代の３６年秋、４３年に次ぎ８０年ぶり３度目。５０年の２リーグ制後では初めてだ。

　本塁打王の３人で内容を比較すると、ポランコはソロ本塁打が多い。２人は勝ち越しと逆転の一発が合わせて６本あったのに、ポランコは１本もなし。７月１６日の楽天戦、８月２３日のソフトバンク戦で各３本塁打したものの、全てソロでチームは２試合とも敗れている。

　今年のロッテは２位。それでもポランコが本塁打した試合のチームは１１勝１１敗の五分。同様のケースで近藤の３位ソフトバンクは１７勝９敗、浅村の４位楽天は１１勝９敗１分け。本塁打した試合でチームが勝ち越せなかった本塁打王は、ポランコが１３人目（１４度目）だ。

　本塁打試合に勝ち越せなかった過去１３度のうち、２度はプロ野球初年度で順位を決めなかった１９３６年に記録。３７年以降の１１度でチームの順位を見ると、６位６度、５位４度、４位１度。３位以内は今年が初めて。本塁打王が一発を放っても、なかなかチームの勝利に結びつかなかった。

　▼…就任１年目の吉井監督は〈２〉位。ロッテの新監督で〈２〉位以内に入ったのは、９５年に〈２〉位のバレンタイン監督以来、２８年ぶり。９５年以降で新監督９人の順位は《２》〈５〉〈６〉〈４〉〈４〉〈３〉〈３〉〈５〉《２》位だった。

　▼…完投は５月２０日の楽天戦で９回を１失点に抑えた西野だけ。チームのシーズン１完投は今年の楽天と並んで４度目、５度目のプロ野球最少記録（パ３度目、４度目）。

　▼…４月６日の日本ハム戦、７月５日の西武戦、同１２日のオリックス戦は、外野手がフライとライナーを捕球したアウトが１度もない外野手最少刺殺０。今年は他に広島１度、パではロッテだけ。３試合の先発投手は全て佐々木朗だった。

　▼…今年の８月に２３歳を迎えた山口は通算３９本塁打。球団で２３歳シーズンまでの本塁打５傑は〈１〉葛城隆雄７５、〈２〉榎本喜八６４、〈３〉山内和弘６２、〈４〉山口航輝３９、〈５〉山崎裕之３７本。過去４人の通算安打と本塁打は

葛城＝［安］１７４５［本］１７４

榎本＝［安］２３１４［本］２４６

山内＝［安］２２７１［本］３９６

山崎＝［安］２０８１［本］２７０

　山口の今後が期待される。

　▼…中村奨の併殺打は昨年の１３本を上回る自身最多の２０本。今年はセ・パ両リーグで最も多かった。ロッテ打者でリーグ最多は１０年に２４本の金泰均以来。チームの日本人打者では０３年２２本の福浦和也以来、２０年ぶり。

　▼…一方の角中は２４４打席で併殺打なし。両リーグで２００打席以上の打者は今年１２５人いたが、このうち併殺打０本は角中だけ。２１年から３８７打席で併殺打なしを継続中。

　▼…捕手の佐藤都は６月２７日のオリックス戦で、走者を送球で刺したアウトの補殺が６度。プロ野球８人目、パ３人目の捕手１試合最多補殺だ。内訳はバント処理の送球が２度、三振後にワンバウンドのボールを一塁に送球が４度。投手は佐々木朗だった。

　▼…新外国人のペルドモは、１２年の益田に並ぶ球団最多の４１ホールド。リリーフ勝利を加えた４２ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手に輝いた。このタイトルを１年目で手にしたのは、９９年の岩瀬仁紀（中）、０９年の摂津正（ソ）に次いで３人目。来日１年目の外国人では初めてだ。

　▼…シーズン最終戦となった１０月１０日の楽天戦で小島は３本の併殺打を打たせるなど、７回無失点で２年ぶりの１０勝目。チームを３位から２位に引き上げた。今年打たせた２０本の併殺打は、九里（広）と並んで両リーグ最多。

　▼…小島は満塁の場面で打者１２人を１０打数ノーヒット（犠飛１、四球１）。満塁で１０打数以上の投手は両リーグで２９人いたが、安打を１本も許さなかったのは小島だけ。通算で４３打数８安打の被打率．１８６。被本塁打は１本もない。

　▼…佐々木朗は１５試合に先発して半分以上の８試合で２ケタ奪三振。９１回を投げて奪った三振１３５の奪三振率は１３．３５（９回に換算した１試合平均の奪三振数）。シーズン９０イニング以上の投手では、０５年に１３．５５の藤川球児（神＝９２回１／３で１３９三振）に次いで２番目。（阿部　大和）

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