今年３９歳シーズンでチーム最年長の岸は７月２８日の西武戦で７回５安打無失点。０７～１６年まで在籍した古巣から通算１０勝目（５敗）を挙げた。２０年の涌井（楽）以来となる５人目、６チーム制になった５８年以降のパでは３人目となる同一リーグの全６球団相手からの２ケタ勝利達成となった。プロ１７年目のベテランは通算３５８試合での“２ケタ総ナメ”。パでは４２５試合の涌井を抜いて最速（セの最速は２９４試合の小林）となった。

　昨年４月６日に西武から通算９勝目を挙げ、リーチをかけていたが、その後は●●と２連敗で今年に持ち越し３度目の正直だった。２ケタ勝利達成までの所要試合数（チーム別）はオリックスが１３、ソフトバンクとロッテが１５、楽天が２６、日本ハムが２８。１７年に楽天に移籍し、そこから７年、通算２１試合目での２ケタ到達となった。５球団相手の２ケタ勝利は西武時代の１３年１０月５日楽天戦勝利で達成していた。

　▼…田中将が昨年の１２敗（９勝）に続き、１１敗（７勝）でパの２年連続最多敗戦投手に。１４～１６年に３年連続の能見（神）以来で、パでは９１、９２年の小宮山（ロ）以来７人目。

　▼…田中将は７月１１日の日本ハム戦で日本でプロ入り初めて奪三振０で降板（米のヤンキース時代には２試合あり）。また、シーズンの奪三振数も８１と、日本で初めて２ケタにとどまった。メジャー移籍前の奪三振率は８．４７も、帰国した２１年から７．２８→６．９６→５．２３と少しずつ低下している。

　▼…則本はビハインド時の被打率が．１３５で規定投球回に達した９人のうち最も低い。ビハインドの点差別に見ると、１点＝．１５６、２点＝．０７３、３点＝．１７６。１、２点ビハインドでは９人のうち最も打たれておらず、粘投が目立つ。逆にリード時の被打率は．２８０と９人の中で最も打たれている。

　▼…チーム最多勝は岸の９。２ケタ勝利不在は０５、０６、１９年に次いで４度目。新規参入の０５年以降で２ケタ勝利投手は計２３人で、パトップのソフトバンクの４４人の約半分。０５年以降のシーズン２ケタ勝利投手ゼロが４回はパ最多。

　▼…投手の完投数１はロッテと並んで両リーグ最少。１９年日本ハム、２０年西武、ヤクルトに次いで４度目だ。唯一の完投は８月１１日のオリックス戦で岸が自身が持つ球団最年長完封を更新する３８歳８か月でマーク。チームの開幕から９９試合完封なしは、０４年日本ハムの８２試合を抜いて最も遅い。

　▼…両リーグ最多の１０２盗塁。０５年の新規参入以来、初のリーグトップだ。個人では１２年の聖沢（５４盗塁）以来、球団１１年ぶり２人目の盗塁王となった小深田の３６をはじめ、小郷、辰己、山崎が１３、村林が１１。２ケタ盗塁５人は０９、１０、２２年の４人を上回り、球団最多。

　▼…０７、０８、２０～２２年に続き、．３２１でパで６度目の出塁率トップ。パで４年連続の出塁率ＮＯ１は５６～５９年南海、７１～７４、７６～７９年阪急、１３～１６年ソフトバンクと並んで最長。０５年以降のトップ回数は６で西武、ソフトバンクを抜いて最多。

　▼…浅村は１１６３試合連続試合出場（プロ野球歴代７位）で、パ最多に。西武時代の１３、１６、１７、１８年、楽天移籍後の１９～２３年、パ最多となる９回の全試合出場を達成。両リーグでは衣笠（広）の１７、鳥谷（神）の１３、金本（広、神）の１２、王（巨）の１１に次ぎ、広沢（ヤ、巨）、松井（巨）と並んで５位。

　▼…岡島は殊勲安打が１７本でリーグ９位。内訳は先制６、同点３、勝ち越し７、サヨナラ１。勝ち越し７は中川圭（オ）と並んでリーグトップ。得点差別打撃成績では

　　打　―安　　点　　　　打率

（ビハインド）

　１３７―３４　１２　　．２４８

（同点）

　１０１―３３　１８　　．３２７

（リード）

　１２３―２９　１３　　．２３６

と、同点時がダントツ。５月２８日の日本ハム戦では延長１２回に代打サヨナラ安打。球団では銀次に並ぶ７度のサヨナラ打（１５年の１本は犠飛）。６本のサヨナラ安打、２本の代打サヨナラ安打も最多。

　▼…小深田は両リーグトップの内野安打２９本。球団では１４年の岡島がパでトップの２８本も、両リーグトップは初。聖沢が１１年に４０本、１０、１２年に３０本をマークしており、球団で４番目に多い。また、バント安打７も両リーグ最多。

（恩田　諭）

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