日本ハム・谷内亮太内野守備走塁コーチ（３２）が３日、今季１２球団ワースト９４失策を喫した守備陣の立て直しを誓った。今キャンプ最多１万２５００人が来場したエススコン秋季キャンプ３日目は、守備練習のみに特化した「ディフェンスデー」。今季限りで引退した守備職人は「技術、考え方、状況判断。一つ自信がつけばエラーが減ると思う」と打開策を示した。

　成長させる。その一心で谷内新コーチは懸命にノックバットを振った。守備漬けの一日で３時間超の熱血指導。「あれだけエラーが出るのは捕球や送球の技術、考え方、状況判断、全部が足りないってこと。例えば、考え方が良くなれば迷わずプレーできる。送球に自信がつけば、もっと捕球に集中できる。自分でどこか一つ自信が持てれば、エラーは減ると思う」

　チームは今季、両リーグ最多失策の屈辱を味わった。新コーチがまず重視したのは「頭の整理」。この日は投内連係やゲームノックに時間を費やす中「練習は節目が大事」と各メニュー終了ごとに選手をマウンドに集めた。課題の振り返りと次の練習の意図を明確に伝え「考え方は習慣になる。意図を持ってやれば、失敗しても意味ある一球になる。とにかく考えを持ってやってほしい」と準備の重要性を説いた。

　自身は今季エスコンで２１試合に出場し、わずか１失策。守備のスペシャリストだからこそ「難しさがわかる」と選手に寄り添い、対話を大事にする。二遊間が主戦の上川畑は「常に選手ファースト。練習後は必ず課題の確認をしてくださる」と言い、この日特守を受けた清宮は「近い存在。何でも聞きやすい」と感謝する。

　キャンプ３日目で既に２度目のディフェンスデーを実施し「エラーの数は減っている」と新庄監督。慣れないノックではミスもあり「谷内君、もうちょっとノックの練習をしてもらって」と愛あるイジリも受けたが「考える事だらけで気疲れもあるけど、選手にはノビノビやってほしい。結果の責任は全部僕にある」と谷内コーチ。２年連続最下位からの巻き返しへ。誰もが認める人間力と卓越した技術を融合した“谷内流”指導で、鉄壁の守備陣をつくり上げる。（堀内　啓太）

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