投げるだけじゃない!ロッテ・小島和哉がシーズン通して見せた高い守備力 小野コーチ「準備があるからこそ」

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2023.10.31(火) 09:56

ロッテ・小島和哉 (C)Kyodo News

◆ 大一番での好投に黒木コーチ絶賛

 ロッテの小島和哉は今季、3年連続規定投球回に到達し、2年ぶりに二桁10勝をマーク。勝てば2位でクライマックスシリーズ(CS)進出、引き分けで3位でCS進出、負けると4位でシーズン終了と、絶対に負けが許されないシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦に先発し、「一番は内容ではなくて勝てばいいと思っていた。なおさら初回はゼロで行けたのが一番大きかったのかなと思います」と、7回6安打無失点の好投で自身2度目の二桁勝利を達成するとともに、チームを2位でのCS進出に導いた。

 ソフトバンクとのCSファーストステージでも1勝1敗で迎えた第3戦、中5日で先発し6回1/3を4安打、無失点に抑えた。黒木知宏投手コーチは「開幕投手を託して、チームが一番大事なここを勝たなければいけないという登板で投げて、開幕だけはうまくいかなったですけど、大事なところで投げて全部もぎ取ってきた。小島は中5日であったり、チームを引っ張っていくという意味では、エースとしての自覚であったり、成績を残したというところで1つ2つ成長したのかなと思いますね」とその成長に目を細めた。

◆ 高い守備力

 小島の良さは投球だけでなく、守備力もだ。今季の失策数は「0」。

 5月10日の西武戦では2-0の3回に古賀悠斗のピッチャーライナーをキャッチすれば、2-1の5回一死一、三塁で古賀のピッチャー横のゴロを反応良くキャッチ。一旦二塁へ送球しようとする素振りを見せるも、本塁を狙った三塁走者・山川穂高を挟みタッチアウトにする好判断を見せた。3-1の6回には呉念庭のピッチャー返しをキャッチし一塁に送球してアウトにした。

 好守備は5月10日の西武戦だけではない。8月20日の楽天戦では、2-0の3回無死一塁で村林一輝のピッチャー前のバントを素早く処理し二塁へ送球しアウト。ショート・友杉篤輝から一塁ベースカバーに入った中村奨吾に渡りダブルプレー完成させたこともあった。さらに9月5日のソフトバンク戦、1-0の3回無死一塁で甲斐拓也のバントを素早く捕球して二塁へ送球してアウト、一塁もアウトでダブルプレーにした。

 小島に今季の自身の守備に「人並みには頑張れたかなと思います」と振り返り、守備で意識していることについては「捕ってから投げることを意識しています。どんなに急いでいても目を切ったらエラーしちゃうので。最低1個はアウトを取ろうと思ってやっています」と話した。また、好守備が多い理由について「基本的にはそういう球に反応できるということは、投げ終わりの体勢がいいから、捕れると思うので、バランスが良いから捕れているんじゃないかなと思います」と自己分析した。

 また、小野晋吾投手コーチは小島の守備について「僕がスカウトをやっているときから彼のピッチャーとしての能力を見ていたので、そういうものを幼少期から意識してやってきたものがそのまま上の舞台でも出ている」と話し、「守備も上手いですし、バント処理だったり、打球反応もいい。準備も早い打球をノックで受けたりというのをしてきているので、そういう準備があるからこそしっかり試合の中で出せているのではないかなと思います」と評価した。

 小島は規定投球回に到達し、ゴールデン・グラブ賞の資格に入っている。ゴールデン・グラブ賞に期待ですねと振ると、小島本人は「いいえ(笑)」と否定的だったが、高い守備力をシーズン通して見せたことは間違いない事実だ。

取材・文=岩下雄太

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