【オリックス】宮城大弥、6回0封の原動力は愛犬・ましゅちゃん 完全休養日にはドッグランへ

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2023.10.30(月) 05:30

4回2死一、二塁、ノイジーを空振り三振に取り吠えるオリックス先発・宮城大弥(カメラ・渡辺 了文)

◆SMBC日本シリーズ2023第2戦 オリックス8―0阪神(29日・京セラドーム大阪)

 「SMBC日本シリーズ2023」第2戦はオリックスが大勝し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。先発・宮城大弥投手(22)が6回無失点。4投手のリレーで阪神打線を完封した。完封負けを喫した第1戦からの打線組み替えも的中。スタメン起用された西野真弘内野手(33)が3回に先制三塁打、広岡大志内野手(26)が適時打を含む2安打を放つなど12安打8得点の勝利に貢献した。初戦と真逆のスコアとなる「8―0返し」。第3戦は31日に甲子園で行われる。

 勝敗を五分に、流れはそれ以上に引き戻した。宮城が華麗に“救い投げ”を決めた。「初戦をああいうふうな形で負けて、悔しい気持ちもあった。阪神に全部持っていかれることになる。そこはのみ込まれず、できたと思います」。6回4安打無失点で日本シリーズ2年連続の白星。エースの山本で第1戦を落としたショックを振り払い、大きな1勝をもぎ取った。

 拳を握り、腹の底から絶叫した。4回2死一、二塁でノイジーから空振り三振を奪った直後だった。「点を取ってもらって、流れも変わった。持っていかれないように、必死に投げました」。今季から操れるようになったフォークを選択。中嶋監督も「宮城がしっかり投げて、4回のピンチを抑えた。それがしっかりつながった」と最大の勝因とした。

 今年2月、宮城は熱心に勉強していた。WBCの宮崎合宿中。部屋で食い入るように見たのは、同学年のロッテ・佐々木朗や同僚の宇田川らが投げるフォークのスロー映像集だった。「手首の位置、どういう回転をすればどう落ちるか。回転の意識も大事だよ」。隣では尊敬するパドレスのダルビッシュが丁寧に解説してくれた。昨年の日本シリーズでヤクルト・山田から空振り三振を奪い、自信をつかみかけていた新球。極上の手引があった。

 高卒4年目で山本と先発の両輪を担い、3年連続2ケタ勝利を挙げた。「あいさつは何回してもいいからね」と新人時代に礼儀を教わり、偉大な背中を追いかけた。オフでもボールに触れることが安心材料だった宮城が「休む勇気」を身につけたのもエースを手本にしたからだ。「1年は長いので、どれだけいい状態で一試合一試合に臨めるか」。今シリーズ前には丸1日の完全休養日を取った。投げる動作をしたのは、ドッグランへ連れ出した愛犬、ポメプー(ポメラニアンとプードルのミックス)のましゅちゃんを玩具で遊ばせた時だけだった。

 昨年の日本シリーズからポストシーズンでは17回1/3連続無失点と勝負強さを発揮した。阪神には3試合目の登板で初勝利。お立ち台では「由伸さんが負けていた。勝ったらやり返せると思って気合を入れました」と誇らしげに胸を張った。この日が2年連続日本一への出発点。宮城の本能が目覚めた。(長田 亨)

◆5回以上0封で2勝2度は球団2人目

 ◆記録メモ

 ▼宮城2勝目 先発の宮城が6回を無失点に抑えて勝利投手。5回を無失点だった昨年〈7〉戦に次いで、シリーズ通算2勝目を手にした。阪急時代を含め、チームで5回以上を無失点で勝ち投手となったのは

 回戦 投手 =回 登板

77年〈2〉足立光宏=9 完封

78年〈3〉足立光宏=9 完封

84年〈6〉山沖之彦=62/3リリーフ

96年〈2〉フレーザー=60/3先発

22年〈6〉山崎福也=5 先発

 〃 〈7〉宮城大弥=5 先発

 今年〈2〉宮城大弥=6 先発

 5人で7度目。2度は足立に次いで2人目だ。これで宮城は1死後に降板した昨年〈3〉戦の6回から、シリーズの連続無失点を11回1/3に伸ばした。

 ▼1、2戦ノーアーチは59年ぶり オリックス、阪神の両軍は1、2戦ともに本塁打ゼロ。1、2戦に両軍本塁打なしは、前回の関西ダービーだった、64年の南海・阪神以来2度目。3戦目に両軍に一発が出て、本塁打なしはストップした。このシリーズは、阪神が先に王手をかけたが、南海が4勝3敗でシリーズを制した。

 ▼V確率はほぼ互角 オリックスが勝ち、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。日本シリーズで1勝1敗になったのは、初戦が引き分けだった18年を含め35度目。過去34度のうち優勝は●〇スタート18度、〇●スタート16度と、ほぼ互角だ。ちなみにオリックスの●〇スタートは阪急時代の69、71、84年と過去3度あり、いずれも敗退しているが、今年はどうか。

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