◆２０２３年　プロ野球ドラフト会議　ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ　ｂｙ　リポビタンＤ（２６日）

　縁を感じていた。西武から１位指名された国学院大・武内夏暉投手（２２）は、背筋を伸ばした。指名から約３時間後、横浜市内のキャンパスに松井監督が姿を見せた。「交渉権確定」の印が刻まれた同監督のサイン入り当たりくじを手渡されると表情がほころんだ。「一番最初に（指名を）公言してくれたので、ちょっとあるのかなと」。予感が的中し驚きを隠せなかった。

　１位指名候補がずらりと並んだ東都大学の７投手。外れも含めて全員が１位指名を受けたが、３球団が競合したのは武内だけだった。「東都の投手はとても意識していて刺激になりましたし、そこは引き続きいいライバルという関係性でありたいです」。もちろんプロでも負けるつもりはない。

　福岡・八幡南時代は直球の最速が１３４キロという無名の左腕。大学入学後も１年時に足首、２年時に左太ももを故障して２年春まで公式戦登板はなし。そこから練習前に３０分のストレッチをこなすなど体質改善に着手。最速は１５３キロに伸びた。「体がしっかりできあがってきて、技術的なものもつかめた」と鳥山泰孝監督（４８）。地道な努力で大学ＮＯ１左腕になった。

　福岡出身とあってソフトバンクのファン。同じ左腕の和田を目標の投手に掲げるが、これからは憧れのチームに立ち向かうことになる。「柳田さんと対戦したいです。本当に楽しみというか見てきたチームなので、今度は倒したいというのが強いです」と宣言。「１年目から先発ローテーションを目指していきます」。大学ＮＯ１の即戦力左腕が若獅子の投手陣に加わっていく。（秋本　正己）

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