【オリックス】森V弾で日本S!球団45年ぶり3年連続進出…「完璧」先制2ランに中嶋監督「勇気出る」

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2023.10.22(日) 05:00

阿部(手前)の掛け声でクラッカーを鳴らし、日本シリーズ進出を祝ったオリックスナイン(カメラ・渡辺 了文)

◆2023 パーソルクライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ第4戦 オリックス3―2ロッテ(21日・京セラドーム)

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(S)第4戦が行われ、オリックスが球団では1975~78年以来、45年ぶりの3年連続日本シリーズ(S)進出を決めた。初回1死一塁、右翼で先発した森友哉捕手(28)が先制2ラン。先発の宮城大弥投手(22)は6回無失点で昨年の日本Sからのポストシーズンの連続無失点を11回1/3に伸ばし、白星を挙げた。MVPは杉本裕太郎外野手(32)が選ばれた。阪神との頂上決戦は初で関西球団による日本Sは64年の南海―阪神以来、59年ぶり。28日に京セラDで開幕する。

 本拠地の歓声を推進力に変えた。森が息を吐き、嗅覚を研ぎ澄ませた。初回1死一塁。種市の高め直球をたたき、右翼3階席へ先制2ランを放り込んだ。「完璧でした」。西武時代の昨年の第1Sに続く、2年連続2本目のCS弾。第4戦目で初打点。チームを3年連続の頂上決戦に導く一発に、仲間の祝福に応え、最後に石川と抱き合った。

 20日の試合前には、バッテリー全員が集まった。19日の第2戦は痛恨の逆転負け。石川が中心に立った。「僕が言うのも何ですけど…」と前置きしたのは、自身が森、若月に続く第3捕手だから。流れを変えようと、力いっぱいに訴えかけた。「オリックスの投手陣は日本一です。受け身にならず、攻めていきましょう」。森と同じ95年生まれで、平野佳からは「ヘッドコーチ」といじられるムードメーカー。仲間に心を打たれ、静かに燃えていた。

 西武時代の18、19年に連覇。しかし、いずれも最終Sで敗退した。昨年までCSは通算47打数8安打の打率1割7分。今年もこの日までの3試合で10打数2安打、0打点と苦しんでいたが、6回にも二塁打を放ち、杉本の適時二塁打につなげた。「日本シリーズに行ってみたい」。FA移籍1年目。チームのため、右翼でも3試合に先発出場した。中嶋監督は「勇気が出るホームランでした」とたたえた。

 シーズンはロッテに15・5差をつけ、圧倒的な強さで3連覇を成し遂げた。過去2年にはなかった消化試合で、ぐらついたこともあった。6日のロッテ戦は1―12の大敗。ZOZOマリンの一室に指揮官の声が響いた。「今のチームを、ファンの人が見たいと思うか? 俺は見たいと思わない」。どんな状況であっても、勝つために最善を尽くすこと。今年初の全体ミーティングで立て直した。

 28日からはセの王者・阪神を相手に、59年ぶりとなる関西同士のダービー決戦だ。交流戦での通算成績も、オリックスの33勝32敗3分けと肉薄。森が「声援がすごいので、できれば(甲子園で)やりたくない。でも仕方ないので…」と冗談交じりに苦笑いし、中嶋監督は「タイガースの応援は本当にすごいけど、絶対に負けていないと思います」と京セラDのファンに呼び掛けた。ゴールは2年連続6度目の日本一。全員で総決算の戦いに挑む。(長田 亨)

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