【オリックス】山本由伸7回5失点も「試行錯誤しながら」懸命に耐えた

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2023.10.19(木) 05:00

4回2死一、二塁、紅林弘太郎が1点差に迫る右2点適時二塁打を放ち、喜ぶオリックス先発・山本由伸(カメラ・渡辺 了文)

◆2023 パーソルクライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ第1戦 オリックス8―5ロッテ(18日・京セラドーム)

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(6試合制)が18日、京セラドーム大阪で開幕し、3連覇のオリックスが2位ロッテを8―5で下し、2勝0敗(アドバンテージ1勝含む)とした。山本由伸投手(25)が初回に3点を奪われるなど7回5失点。それでも打線が奮起し、3―4の6回に集中打で4点を奪って逆転。山本は3年連続で最終S開幕戦勝利となった。

 山本が苦しみながら3年連続のCS勝利をつかんだ。

 初回1死二、三塁でポランコに2点二塁打を浴びるなど、4年ぶりの1イニング5安打。今季一度も複数失点のなかった初回に3点を失った。過去2年は17イニング無失点だったCSでの初失点ともなった。

 2日以来の公式戦登板というブランクか。「全然いい球がいかなかった」。さらに、CS第1ステージを勝ち上がったロッテの勢いに飲まれたのか。ノーヒットノーランを達成した前回対戦(9月9日)から一転して攻略された。

 だが、山本は自分を見失うことはなかった。「ちょっとでも取り戻せるように、いろいろ試行錯誤しながら投げました」。今年ワーストの5失点ながら、マウンドで下を向くことはなかった。エースの姿に打線が応え、勝利をつかんだ。

 登板日は松井スコアラーとの個人ミーティングに臨む。昨年までの現役捕手から「由伸だからできる。由伸だからやってほしい」と果敢な内角攻めなどを要望されてきた。明け方までデータを整理する先輩の姿を知っているから、山本は高いレベルの要求にも応えてきた。7回は続投を志願。その回も失点したが、116球を投げた。山本の意地であり、責任感だった。

 今オフ、ポスティングによるメジャー移籍が濃厚で、メジャー9球団13人のスカウトが視察。昨季まで同僚だった吉田正が解説で訪れ、WBCを戦ったヌートバーも背番号18のユニホームで応援してくれた。「かなりしんどい試合だった。いつもの由伸ではなかった」と中嶋監督は言ったが、大黒柱で星を落とさなかった。アドバンテージを含め2勝0敗とし、過去のパ・リーグでは日本シリーズ進出の可能性が100%。屈しないエースがオリックスを前進させた。(長田 亨)

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