◆パ・リーグ　楽天０―２オリックス＝延長１１回＝（１４日・楽天モバイル）

　楽天・浅村栄斗内野手（３２）が１４日のオリックス戦（楽天モバイル）に「４番・二塁」でフル出場し、松井稼頭央を超えるパ・リーグ新、歴代でも単独７位に浮上する１１４４試合連続出場を達成した。

　歓喜の輪を作ることはできなかったが、スタンドから拍手が贈られると浅村はボードを掲げ声援に応えた。１５年８月８日のオリックス戦（京セラＤ）で「６番・二塁」で先発出場してから約８年。５回終了でゲームが成立し、パ・リーグ最多となる１１４４試合連続出場を果たした。５打数無安打で試合にも延長１１回で敗れたが“新鉄人”らしくフル出場し「とても光栄なこと。西武からずっと我慢して使ってきてくれたことの記録なので、いろんな人に本当に感謝している。また、伸ばしていけるように自分自身も頑張りたい」としみじみ語った。

　２１年の年末、野球一筋のバットマンに大きな変化が訪れた。ゆき夫人（３０）との間に長女が誕生。家に帰るのが何よりの楽しみになった。体にムチを打って連続試合出場を続ける中、「次の休みは動物園に行こう」と自ら提案し、帰宅すると一緒にお風呂に入る。愛する娘と多くの時間を共有するため、パパはオフも鉄人ぶりを発揮している。

　遠征中などに夫人から娘の動画が送られてくると、スマホの画面にくぎ付けになる。グラウンドでは寡黙に戦う男が「自分の子供がこんなにかわいいと想像していなかった」と家では率直な思いを口にするようになった。この日は本拠地のスタンドで家族が観戦。「家族の支えがなかったらダメだったという時もあった。『引き続きよろしくお願いします』と言いたいです」。最愛の存在が見守る前で、新記録を樹立した。

　ゴールはまだ先だ。金字塔も背番号３には通過点に過ぎない。「これからも毎試合出続けるのはもちろん、今は１つでも上の順位を目指すという目標があるので、その目標に向けて、チームの勝利に貢献するプレーをしていきたい」。ＣＳ圏３位のソフトバンクとは２・５差。グラウンドに立ち続け、チームを引っ張っていく。（内藤　菜月）

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