◆パ・リーグ　オリックス３―４西武（６日・ほっと神戸）

　花火ナイトと銘打たれた神戸の夜に、球団史を塗り替える大輪の花を咲かせた。４回。西武・中村剛也が左翼席へ１４号ソロを放つと、８回にも左翼席へおかわりの１５号ソロ。４０代の１試合２発は２０１７年４月１２日の巨人戦で当時４０歳２か月だった広島・新井貴浩が放って以来で、西武では初の快挙だ。それでも「そうですか。特にないです」と表情を変えずに話した。

　８月１５日に不惑を迎えてから４本塁打。さらに円熟味を増している。甘い球を逃さない集中力とスイング。「１本目はうまいこと当たってくれて入ったなという感じ。２本目は何となくカーブが来そうだというのがあったので。何となくですよ」と淡々と振り返るが、松井監督はうなるしかない。「アーチストですからね。僕らじゃ計り知れない技術。読みもそうでしょうし、しっかりと一発で仕留める集中力と技術。見事だと思います」。その言葉を体現したかのようなこの日のアーチだった。

　中村の２発が効いて１点差で逃げ切り、オリックスに今季初めて勝ち越して最下位を脱出。「最近あんまり打てていなかったので、残り試合精いっぱい打てるように頑張ります」。いつもの淡々としたコメントが頼もしく響いた。

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