ロッテ・藤原恭大「なるべく考え方をシンプルに」バットでチームの勝利に貢献する活躍を!

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2023.9.5(火) 08:51

ロッテ・藤原恭大 (C) Kyodo News

 「(状態は)よくはないですけど、何とか1本毎日出せるようにやっています」。

 ロッテの高卒5年目・藤原恭大は、1試合1安打を目標に日々試行錯誤しながら、試合に臨んでいる。

 今季からなるべく無駄な動きをなくしたコンパクトな打撃フォームに挑戦しているが、ここまで「少しずつできている感じはあるんですけど、振る力であったり最初に比べてだいぶなくなってきているので、もっともっと1年間通して振れる力をつけていけたらいいなと思います」と手応えを感じつつも、まだまだ課題を感じているようだ。体の内側からバットを出すことについても「どうですかね、できていないことも結構あると思います」と話した。

 今季の藤原は開幕直後に打率、安打数で一時リーグトップに立ったり、5月5日のソフトバンク戦で6打数0安打5三振に倒れた翌日から7試合連続安打を放つなど、昨季盗塁王の髙部瑛斗、ベテランの荻野貴司が故障で一軍不在の中、5年目の今季一気にレギュラーを掴みそうな雰囲気はあった。しかし5月17日に一軍登録抹消。6月11日に再昇格を果たしたが、7月20日に特例2023で一軍登録を抹消、8月8日に一軍昇格と、ここまで打率.246、3本塁打、19打点、5盗塁。開幕直後に比べると、勢いが落ちている。

 ここ最近の試合では「ピッチャーが良いので、そこは難しいので工夫しながらですね」と、追い込まれてからすり足で打ったり、バットを短く持ったりして対応することもある。

 一軍の試合に出場し続ける中で、なぜ安打が打てていて、なぜ打てていないのかというのを自身の中で理解しながら打席に立てているのだろうかーー。

 「ひとつは真っ直ぐにしっかり入っていけること、打てない時は変化球とかいらないことが頭に入って、初球から振りたいのに振りにいけなかったりということもあるので、なるべく考え方をシンプルに毎回持っていけたらいいなと思います」。

 確かに一軍出始めの頃は初球から積極的にスイングしていたが、ここ最近の藤原を見ていると、初球を見逃したり、積極性が失われているように感じる打席もある。

 「基本はまっすぐを打ちにいっているところなんですけど、それができない今があるので、毎日頭をリセットして入れるようにしています」。

 残りは27試合。「個人の成績もそうですけど、もちろんチームもこの順位にいますし、もっと勝てるようにやっていけたら良いなと思います」。4月16日のオリックス戦では、0-0の3回一死一、三塁の第2打席、宮城大弥に対して3ボール2ストライクから3球連続ファウルで粘り、10球目のインコース145キロストレートをレフトへ弾き返す適時打を放てば、5月16日のオリックス戦では2安打、1四球、2犠打と、とても内容のある打席が開幕直後は多かった。過去にも月間MVPに輝いた経験があるなど、短期間での活躍はこれまでも何度も見せており、あとは好不調の波を小さくするだけ。藤原自身のため、また将来チームが黄金時代を築くためにも、残り試合で来季に向けた期待感、少しでも成績を上げて終えて欲しいところだ。

取材・文=岩下雄太

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