【日本ハム】上沢直之、新魔球武器にメジャー6球団スカウトに見せつけた今季2度目の完封

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2023.9.2(土) 05:30

完封勝利を挙げ、新庄監督(左)に迎えられる上沢直之(カメラ・安藤 篤志)

◆パ・リーグ 日本ハム3―0オリックス(1日・エスコンフィールド)

 熱投を続けるエースの血が沸騰した。9回の投球練習。登場曲の「悲しみをやさしさに」が再度流れ、ファンの大歓声とともに上沢直之投手(29)を後押しした。選手側の要望に応えて新球場・エスコンで初めて実施された粋な演出に「ブチ上がりましたね」。1死一塁から森を二ゴロ併殺で締めくくり、114球で今季2度目の完封。9回3安打7奪三振と圧巻の内容だった。

 新球がさえ渡った。7回途中5失点だった前回登板(8月25日、対西武)後、伊藤の助言も参考に従来より握りを浅くしたフォークを導入。「決め球でもカウント球でも使える」とシンカー方向への変化が加わった新たな武器を最速150キロの直球に織り交ぜ、凡打の山を築いた。

 昨オフにメジャー移籍希望を表明。球団に熱い思いを訴えた。「挑戦の一年。リスクはあるけど、変えていかないと」と決意して臨む12年目。伊藤ら後輩にも積極的に意見を求め、貪欲に進化を追い求めている。ネット裏にはかつてのチームメート・大谷が在籍するエンゼルスをはじめ、ロイヤルズ、レンジャーズ、Dバックス、レッズ、カブスの6球団、計10人のメジャースカウトが大挙。シーズン中は目の前の登板に集中しているが、昨オフの契約更改で明かした「世界の選手が集まる野球ってどんなものか経験してみたい」という思いを胸に秘め、目を光らせるスカウト勢に自身の力を存分に見せつけた。

 チームは本拠地7連勝を飾り、3位・ソフトバンクとの差を6とした。上沢は「クライマックス(シリーズ進出)に最後まで望みをつなげて、ヒリヒリする試合を続けていきたい」。新球場の「初代エース」が、シーズン最終盤のチームを逆転CSへとけん引する。

(内田 拓希)

 【記録メモ】パは3試合いずれもホームチームが完封勝利。リーグの3試合すべてホームチームが完封は、12年4月29日のセで巨人、広島、中日が完封勝ちして以来、パでは、11年10月8日にソフトバンク、日本ハム、楽天が本拠地で完封勝利して以来。

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