ロッテ、8月の戦いが始まるーー今週から6週連続で6連戦!

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2023.8.1(火) 09:09

ロッテ・吉井監督 (C) Kyodo News

 ロッテは47勝35敗4分で、首位・オリックスと3ゲーム差の2位で8月の戦いに突入する。

 8月は雨天中止がなければ31日中27試合こなし、今週から6週連続で6連戦だ。6連戦自体も、交流戦以来となる。1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝するためにも8月、9月の戦いが非常に重要になってくる。

昨季はオールスター明け、打率.283、7本塁打、32打点と打った安田尚憲は、「優勝を目指して、戦力になれるようにそれだけだと思うので、勝負所でこれからも打てるように頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

 山口も昨季オールスター以降は39試合に出場して、打率こそ.224(143-32)だったが、8本塁打、27打点の成績を残し、9月22日のオリックス戦ではプロ入り後自身初となる1試合3本塁打を放つなど、夏から秋口にかけて活躍が目立った。今季は春先、苦しんだ時期もあったが、「前半戦みたいな成績では絶対に終われないと思っているので、シーズンが終わった時に1位に入れるように、そこに貢献できるようにやるだけだと思います」と決意した。

 ポイントゲッターである安田、山口に本塁打、打点が増えれば、チームの得点力が上がる。今年もチームの勝利に導く一打を、大事な季節に1本でも多く放って欲しい。

◆ 夏場以降に強い先発陣

 投手陣でいえば、美馬学が夏場に圧倒的な存在感を誇る。二桁勝利を挙げた20年は8・9月の2カ月で6勝を挙げ、昨季は前半戦、13試合・73回2/3を投げ5勝6敗、防御率4.15だったが、オールスター明けは7試合・44回を投げて5勝0敗、防御率は驚異の0.82とエース級の働き。夏場に強い要因について「特にないんですけど…」としながらも、「夏場に状態が良いことが多いので、ここから巻き返していけたらなと思っています」と話す。美馬は今季ここまで1勝だが、20年、そして昨季のような投球を見せることができれば、大きな戦力になる。

 種市篤暉もシーズン自己最多の8勝を挙げた19年8・9月は3勝1敗、防御率2.48で、9月22日の日本ハム戦では、クライマックス・シリーズ進出に向け絶対に負けが許されないなかでのマウンドも「連敗していたので、負けたら終わりだと思っていた。やることは変わらないと思って、自分のできることに集中して投げられたと思います」と8回5安打9奪三振0失点でチームに勝利をもたらした。佐々木が故障で離脱した中で、先発の軸として勝ち星を1つでも多く挙げ、種市個人、そしてチームの貯金を増やしたい。

 小島和哉も先発ローテーションに定着した20年以降、8・9月を得意にする傾向がある。特にオリックスとリーグ優勝を争った21年は東京五輪明け、10試合・67回1/3を投げて、5勝1敗、防御率2.67。プロ初完投勝利をあげた9月11日の楽天戦以降は7試合中6試合でクオリティスタート(6回3自責点以内)を達成した。

 美馬、小島、種市とシーズン後半に強い傾向にある先発が3枚いるのは大きな強み。今年も安定した投球を見せてくれることを願うばかりだ。


◆ 勝利へ鍵握るリリーフ陣

 チームが勝利するために鍵を握るリリーフ陣は、5月18日のオリックス戦、5月21日の楽天戦でブルペンデーを行ったが、3連投した投手は誰もおらず、1週間に4登板以上した投手も益田直也(6月5日〜の週)、坂本光士郎(6月5日〜の週)の2人のみで、それも6月3日から9連戦中だった。場面や状況に応じてリリーフ投手をうまく起用し、決まった形の“勝利の方程式”というよりは、複数のパターンを持つことで、“勝ちパターン”のリリーフに依存しすぎず、先を見据えて戦ってきた。

 ブルペンを担当する小野晋吾コーチは「これからどんどんしんどくなってくると思うので、しんどい中でも、成長していけるところだと思う。まだまだ成長していかないといけないチームなので、そこで結果につながるようないい準備をできるような声がけをしていきたいなと思います」と話している。

 そのブルペン陣も夏場に向けて準備をしてきた。開幕前のトレードで日本ハムから加入しここまで33試合・防御率1.09の西村天裕は6月10日の取材で、夏場に向けて準備していることについて訊くと、「疲れは自然と溜まってくると思うので、どうやって疲れを抜くかと言うのを工夫してしっかり投げない時は休む、投げる時は投げる、オンとオフをしっかりやっていけたらなと思います」と話せば、チーム4位の31試合に登板する坂本も6月9日の取材で「疲れを残さないようにと考えています。体重は減らしたくないというのがあるので、食事を減らさないことと、お風呂に浸かるのが長く浸かるんですけど、それぐらいじゃないですかね」と個人個人で、夏に向けた準備、対策を行ってきた。

 好不調の波の大きいロッテは好調モードになれば、勢いの出る戦いができそうだが、そうでなかった場合は苦しい8月、9月になる可能性もある。20年以降はリーグ優勝に近い位置にいながら、悔しい結果に終わった。“今年こそは”という言葉は聞き飽きた。8月、9月の過密日程を戦いぬき、栄冠を手にしたい。

取材・文=岩下雄太

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