◆パ・リーグ　楽天１―３西武（２９日・楽天モバイル）

　１点も渡さない。３回１死二、三塁。西武・今井のギアが上がった。「１点いいやという気持ちは一つもなかったです。ゼロでベンチに帰ることが自分の仕事なので」。１ストライクで小深田がバントの構えをした。スクイズだ。今井はありったけの力を込めて速球を投げ込んだ。「しっかり強いボールを投げた上で」長髪をなびかせながら勢いよくマウンドを駆け降りた。大きくバウンドしたゴロを捕ると、すぐさま古賀にグラブトス。三塁走者を封殺すると、何度も手をたたいて喜んだ。「スクイズの可能性がちょっと高いかなというのは自分の頭の中で思っていたので。古賀にもスクイズあると言っていたので」とうなずいた。

　「５回まではいつも通りの投球ができず、制球が乱れてしまいました」と振り返るが、最速１５６キロの速球にチェンジアップを多く配して相手打線に的を絞らせない。７回を４安打、１四球、無失点で６勝目。「結果的にゼロで終えることができたので良かったです」。楽天戦は２０２１年１０月１５日の対戦から７連勝。自責点ゼロは４６回２／３に伸びた。「スコアラーさんが本当に毎回、毎回数字とかデータとか打者の長所とか調べてきてくださったりとか。古賀がよくリードしてくれたりとか、そういうもののおかげかなと思います」と周囲への感謝を強調していた。

　７月は４試合に登板し、すべてハイクオリティースタート（先発で７投球回以上自責点２以下）を達成。松井監督も「ローテーションの中に入ってきてくれることはチームにとって非常に大きい」と信頼を寄せる。６連戦が４週連続で続く８月へ。今井の力が必要になってくる。

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