ロッテ・安田尚憲「勝負所でこれからも打てるように」得点圏打率リーグ4位と勝負強さ光る

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2023.7.24(月) 08:27

10回裏にサヨナラ打を放ちガッツポーズのロッテ・安田 (C)Kyodo News

 「交流戦で少し苦しんだ部分がありましたけど、リーグ戦が再開して順調にいけていると思うので、ここからもう少しギアを上げて頑張れたらと思います」。

 ロッテの安田尚憲は、一歩ずつではあるが、チームの中心選手、チームの顔になりつつある。

 6月の月間打率こそ.194(67-13)だったが、その他の月は打率.270以上打ち、好不調の波を最低限に抑えている。打てなかった6月も四球や犠飛を放つなど最低限の役割を果たし、打席に立った試合は6月7日のヤクルト戦から18日のDeNA戦にかけて10試合連続出塁。本人も「あの時期は打てもしなかったので、なんとか打てるボールだけというのを意識しながら、四球を取るというのも自分の中で最低限の一つなのでその辺はできていたのかなと思います」と振り返った。

 7月に入ると、5日に監督選抜で初のオールスター出場が決まり、6日の西武戦では6-6の10回二死二、三塁の第5打席、佐々木健が1ボールから投じたツーシームをセンター前にサヨナラ安打。19日の『マイナビオールスターゲーム2023 第1戦』で途中出場し、岩崎優(阪神)が投じた初球のストレートをライト前に、オールスターゲーム初安打をマークした。翌2戦目は1-0の2回一死一塁で中田翔(巨人)が放った三塁線の打球を逆シングルで捕球し素早く二塁へ送球するなど、好守備を連発。

 高卒1年目ロッテ浦和球場での二軍戦で、何度も安田の横を抜けていった三塁線の打球を好捕した姿に、これまで積み重ねてきたものが発揮されたように感じた。安田も「そうですね、サードでいい守備ができたので、オールスターといういい舞台でいいアピールができたのかなと思います」とニッコリ笑顔。

 オールスターは「いろんなバッター、先輩方と話ができましたし、リーグを代表する選手たちが集まっていたので、たくさん勉強になりました」と学びの時間になった。「どの選手に聞いても自分の技術、感覚を確立している選手が多かったので、それは自分の中での感覚を大切にしながら、しないといけないと思います」。自分の技術を“確立”することの重要性を再認識。

 オールスターで球界を代表する選手たちと共にプレーした安田は、頼もしくなって帰ってきた。後半戦最初のゲームとなった22日のソフトバンク戦で早速2安打すると、23日のソフトバンク戦では5打席目まで無安打も、3-3の10回二死満塁の第6打席、津森宥紀が1ボール1ストライクからの3球目・129キロのスライダーをライト前に放ち、今月2本目のサヨナラ打で試合を決めた。

 とにかく今年の安田は得点圏打率.リーグ4位の.327と勝負強い。「そこまで変えた意識はないですし、今は良い結果が出ているので、このままいければなと思います」と平常心。

 リーグ優勝へ大事な戦いが続く。昨季はオールスター明け、打率.283、7本塁打、32打点と打った。「去年は技術的にピタッとハマったものがあったので、夏とか暑さを関係なくできていた。今もそこまでバッティングで悩んでいることはないので、思い切っていつも通りやれればなと思います」。今年も夏男としての期待が高まる。

 「優勝を目指して、戦力になれるようにそれだけだと思うので、勝負所でこれからも打てるように頑張っていきたいと思います」。勝負の後半戦、安田自身が打線を引っ張っていくくらいの勢いで打ちまくって欲しい。

▼安田の月別成績
3.4月:22試 率.275(80-22)本2 点6
5月:17試 率.290(62-18)本3 点11
6月:22試 率.194(67-13)本0 点4
7月:14試 率.296(54-16)本2 点12

取材・文=岩下雄太

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