あわただしく長い１日が終わった。２１日の午前１０時、埼玉・所沢市の球団事務所で入団会見に臨んだ西武・高松渡内野手はそのおよそ１１間後、ナイターのイースタン・リーグ日本ハム戦が終わったベルーナドームの三塁側ベンチ前にいた。「少なからずは緊張していました」と新しいユニホームを着て大きく息をついた。

　会見でスーツの上から新しいユニホームに袖を通した高松は「初めはビックリしましたけど、新しいチームで自分のプレーをイチからアピールしたい」と意気込みを語った。シーズン中のトレードについても「また、チャンスがもらえると思ったのでうれしかったです。マイナスなことではない。プラスだと思っているので。パワプロでも『自分もほしいからトレード、この選手がほしいからトレード』って印象でやっていましたから」と前向きにとらえている。

　武器は５０メートル５秒８の俊足で、チームスローガンの“走魂”にマッチする。「一番の武器である足で１点でも取れるように頑張ります」と宣言した。渡辺ＧＭは「試合終盤の大事なところで相手のチームにも投手にもプレッシャーをかけられる。期待しています」と評価した。

　会見後はファームの練習に参加し、日本ハム戦前のシートノックでは左翼と二塁についた。試合では８回から二塁に入り、ファンから大きな拍手が送られた。その裏の無死二塁では空振りの三振に倒れたが、落ち込んではいない。「普段は集中していて声援は聞こえないんですけど、温かい声援が聞こえてよかったです」とファンに感謝。「いつでもいけるように、それくらいの準備はしていきたいです」と１軍での出番を見すえていた。

　◆高松渡（たかまつ・わたる）１９９９年７月２日、兵庫県生まれ。２４歳。滝川二から２０１７年ドラフト３位で中日入り。通算１５４試合出場で打率２割２分８厘、４打点、２２盗塁。今季は２３試合で１打数無安打、２盗塁。１７７センチ、７５キロ。右投左打。年俸１０６０万円。

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