ロッテ・東妻勇輔「いい時も、悪い時もこれでやっていこうと」前半戦21試合、8ホールド、防御率2.14

ベースボールキング

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2023.7.20(木) 07:20

ロッテの東妻勇輔

 「いい時も悪い時もありその中でも自分のやれる仕事をちゃんとできているのかなと思いますね」。

 ロッテの東妻勇輔は開幕一軍こそ叶わなかったが、5月5日に今季初昇格を果たし、同日のソフトバンク戦、0-0の10回からマウンドに上がり2回を無失点に抑えると、ここまではビハインド、先発投手が降板した後のイニング途中、勝ちパターンなど様々な場面で投げ、21試合・21回を投げ、0勝1敗8ホールド、防御率2.14。

 今季東妻を取材していると、「全ては結果だと思う。内容も大事だと思うんですけど、僕は結果、ゼロというのを求めてずっとやっていきたいと思います」と“ゼロ”に抑えることにとにかくこだわっている。

 「普通ピッチャーは点を取られるのが嫌じゃないですか。ただそれを場面とかで考えたら、萎縮したり、何点差開いて、ここで点を取られたら雰囲気が悪くなるなとか、そういう考えも出てくると思う。そんなことを考えていたら、そういう時ほど点を取られる。そういったことを考えないように、1点は1点という解釈の仕方に変えただけですね」。

 なぜ、このような考え方に変わったのだろうかーー。

 「5年目に入って1点というのを大切さもわかってきましたし、負け、勝ちとかの重みもわかってきた。慣れてきたところで、怖さが出てくるんですよ。ここで1点取られたら負け、ここで打たれると雰囲気が悪くなる。プロに入って余計に流れとかがわかるようになって考えだしてしまった。それを考えると悪い方にいってしまう。そういう考え方の意識で、厳しく入らなきゃというのはあると思うんですけど、悪い方に傾く、緊張して足が動かなくなる、そういうふうに向かうのが嫌なので、逆にもっとラフに考えようという感じです。切り替えたと言ったら気持ちの中での切り替えだけですね」。

 ビハインド、勝ちパターン、ランナーを背負った場面など、どの場面で投げても変わらぬ意識でマウンドに上がる。

 「どんな場面であっても1点は1点、それを取られるのは嫌なことなので、そこを抑えるように。しっかりその1点は防ぐようにという考え方でやっています」。

 マウンドに上がるまでの、準備の部分は変わったのだろうかーー。

 「1点は1点で取られるのは嫌だという考え方に変えたので、毎回、毎回、同じ入り方、同じアップをやって同じルーティンで入って、それで点を取られようが、点を取られなかろうが同じことをしているので、そこは調子の良し悪しになってくる。同じ動きをやるようにしていますね」。

 「1点にこだわってはいますけど、取られることに後を引くような、ずっと引っ張られるようなことはしない。投げている時に点を取られるのは嫌なので、1点を取られないように抑えにいきますけど、取られた時は取られた時で切り替えるようにしていますね」。

 点を取られた次の日も新たな気持ちで迎える。

 「長いシーズン戦うのに0で行くというのにこだわっていますけど、昨日の失点を引きずると次に影響してくるので、そこは引っ張らないようにしています」。

 後半戦も、ゼロに抑えるため、やることは変わらない。

 「いい時も、悪い時もこれでやっていこうと決めたので変えずにやっていこうと思います」。

  “勝利の方程式”で投げる投手の働きも重要だが、その前を投げる投手の存在も勝利へ鍵を握る。オールスター明けも活躍に期待だ。

取材・文=岩下雄太

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