8月以降6連戦が続くロッテ ファームからの突き上げもカギ

ベースボールキング

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2023.7.19(水) 08:53

ロッテ・唐川侑己(撮影=岩下雄太)

 ロッテは前半戦を42勝32敗4分の2位で終えた。リリーフ陣は救援防御率リーグ5位の「3.56」だが、6回終了時点でリードした試合は31勝2敗ということを考えると、勝ち切る試合をしっかりと勝ち切っていたことがわかる。益田直也、澤村拓一、ペルドモ、西村天裕、坂本光士郎、東妻勇輔、横山陸人などが前半戦のブルペンを支えたが、8月以降は6連戦が6週連続で続く。この戦いを乗り切るためにも、一軍で今投げている選手たちが好成績を残してくれればいいが、ファームからの突き上げも必要だ。チームに勢いをもたらしてくれるであろうフレッシュな若手、経験のあるベテランなどが一軍での登板を目指しファームで牙を研ぐ。

 今年プロ16年目の唐川侑己もその一人だ。今季は開幕を二軍で迎え、4月14日に初昇格し、初登板から2試合連続で無失点に抑えていたが、1回2失点だった5月2日の楽天戦の登板翌日の3日に一軍登録抹消。現在は 「今はピッチングの精度と強さを意識してやっています。そこが上がってきてバッターの反応、僕にとって良い反応になればもっといいものが出せていけるのかなと思ってやっています」と、再び一軍のマウンドで投げるため、試行錯誤しながら日々ファームで練習、試合に臨んでいる。

 リリーフに配置転換となった18年の後半からカットボール主体の投球が続いていたが、21年からはストレートを投げる機会が増え、昨年行った取材では「新しく今年キャッチャーが松川と組むこともあるので、そのなかで彼が選択して投げているという感じですね。常に良いまっすぐを投げたいと思っているので、それの継続です」と説明した。

 今季の唐川は右打者の“インコース”に力強いストレートで打ち取るケースが多い。6月7日の楽天二軍戦では4-6の8回二死走者なしで横尾俊建を1ボール2ストライクから146キロのストレートで空振り三振に仕留めれば、6月27日の日本ハム二軍戦では0-1の7回先頭の郡司裕也に2ボール2ストライクからの7球目145キロインコースストレートを詰まらせて遊ゴロに打ち取った。

 「僕の印象で外、外のカットで来るというところでインコースのストレートは効果的だと思うので幅を広げるためにやっています」。

 一軍で抑えることを想定して、右打者のインコースにストレートを投げている。右打者でいえば、今季から左打者だけでなく、「右にもチェンジアップを投げられたらいいなというところで、ファームで何回か投げていますね」(4月15日取材)と右打者にもチェンジアップを投げる。7月12日のヤクルト二軍戦では、2-6の8回無死走者なしで塩見泰隆を2ボール2ストライクから10球目に132キロのチェンジアップで遊ゴロに抑えた。右打者のチェンジアップについて唐川は「目線を変えるという意味でも、いろんな引き出しが大事だと思います」とのことだ。

 投球フォームでも、「自分の投げる中でのタイミングであったり色々試行錯誤してやっています」と投げる時に左足を上げた時にピタッと止まる時と、止めずに投げる時がある。7月4日の巨人二軍戦では走者がいない時に左足を上げた時に、ピタッと止めずに投げていた。

 現在ファームで3試合連続失点中と悔しい登板が続くが、チームがリーグ優勝するために唐川の復調は必要不可欠。「後半、一軍で優勝争い、Aクラス争いが厳しい戦いが続いていく。そこで力になれたらなと思います」。ブルペンには益田、澤村と経験豊富なベテラン2人がいるが、唐川の持つ経験、そしてテンポ良く淡々と抑えていく姿を一軍で見たいと思うファンも多いはずだ。

取材・文=岩下雄太

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