ロッテ・西野勇士「イメージを壊しながら投げられている」投球を支える新たな球種

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2023.6.25(日) 07:50

ロッテの西野勇士(撮影=岩下雄太)

 ロッテの西野勇士は、20年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、一軍本格復帰した昨季はリリーフを務めたが、今季は先発に再転向し、ここまでリーグトップタイの6勝を挙げる。

 西野の持ち球といえば、ストレート、フォーク、スライダー、カーブだったが、「今年はずっとシュート投げているんですけど、たまに右のインサイド真っ直ぐがありますが、基本的にはシュートが多いですかね」と、今季はそこにシュートが加わった。

 主に右打者のインコース、左打者のアウトコースにシュートを投げている。「シュートを効果的に使えているのかなと思う」と、本人も手応えを掴む。

 “カウントを自分有利に持っていけるように”、“ストライク先行”を強く意識する西野は今季とにかく、1イニング当たりの球数が非常に少ない。2019年以来となる完投勝利を挙げた5月20日の楽天戦では、9回を投げ97球だった。今季6イニング以上投げた登板が8試合中6試合だが、100球以上投げたのは前回登板の9日の広島戦(6回2/3を投げ114球)だけだ。とにかく少ない球数でアウトを奪っている。

 シュートを覚えたことが少ない球数で長いイニングを投げられている理由なのだろうかーー。

 「それもあるし、攻めるバリエーションもだいぶ増えていけているのかなと思います」。

 また、追い込んでからフォーク、スライダーで打ち取っていたが、シュートを投げるようになったことで、早いカウントで打ち取れている。

 「そうですね、今までの僕のイメージとかバッターはある程度あると思うし、対戦したことない選手でも西野と言えば真っ直ぐ、フォークだと思っているので多分。そこでシュートだったり、遅いカーブがあったりでかなりイメージを壊しながら投げられているのはいいのかなと思っているんですけどね」。

 先発投手として投げるために、必要な球種としてシュートを使っているということかーー。

 「そうですね。僕の基本は真っ直ぐとフォークだというところでブレないと思うので、そのイメージをどうやって使っていくかというのが大事。フォークを捨てたわけではないですし、真っ直ぐを投げないわけではないですね」。

 大前提として武器であるストレート、フォークがあっての“シュート”。

 「とにかくゲームを作っていくことが僕は大事だと思っているので、テンポよく、球数を減らせれば、長いイニングを投げられると思うし、とにかくそこだけ。テンポと長いイニングを意識してゲームを作るところを意識して投げられたらと思います」。

 ストレート、フォーク、スライダー、カーブ、シュートを駆使して、テンポよく少ない球数で抑えていき、長いイニングを投げる。リーグトップタイの6勝を挙げる右腕は、マリーンズの先発に欠かせない存在だ。

取材・文=岩下雄太

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