◆パ・リーグ　ロッテ３―５日本ハム（２３日・ＺＯＺＯマリン）

　日本ハム・野村佑希内野手がロッテ戦で８回に貴重な７号ソロを放ち、今季初の５連勝に貢献した。新庄監督直伝の「見下ろし打法」を胸に、６月４日・巨人戦（東京Ｄ）以来出場１２試合ぶりの一発。悩める主砲が、リーグ戦開幕初戦で復調の兆しを見せた。

　相手に傾きかけた流れを、一振りで消し去った。２点差に詰め寄られた直後の８回。先頭の野村は、２番手・東妻の逆球を見逃さなかった。１４４キロの内角ツーシームをさばき切ると、打球は弾丸ライナーで左翼席へ。久しぶりに走った両手の感触。喜びを嚙みしめながら「（相手を）見下ろしました。うれしかったです」とダイヤモンドを一周した。

　直近４試合は無安打。低迷が続く中、交流戦の全日程終了後、新庄監督から１軍に合流せずあえて２軍戦に出場するよう命じられた。「（投手を）見下ろして打席に立ってこい」。大きく、ゆったりとタイミングを取り、球を引きつけて甘い球だけを捉える。結果欲しさに縮こまっていた打席内での振る舞いに「余裕」を持たせる狙いがあった。

　すると２０、２１日のイースタン・西武戦では２試合連続本塁打をマーク。「あの２試合はありがたかった。いい時間を過ごせました」。リスタートとなったこの日。クイックモーションから投じられた内角速球にも、自分の間合いは崩れなかった。左翼へと引っ張る痛烈な一打に、指揮官も「どうですか？野村君の見下ろし打法。ゆったり感はあれでいい。期待できるタイミングの取り方してるな、と見てたらガツン。あのクイックをよう打ちますよね。俺なら差し込まれてもう２回ぐらいバット折れてる」とご満悦だった。

　チームは昨年７月以来の５連勝。３位・ロッテとのゲーム差を「５」に縮め、借金も「３」とした。新庄監督から万波、清宮との“４番争奪戦”を予告されている背番号５は「（記事も）目にしてる。よく打った方が（４番に）なると思う。結果で証明したい」。開幕時は４番。若きスラッガーの言葉に、力強さが戻ってきた。（堀内　啓太）

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