【オリックス】育成出身ルーキーでブレイク中の茶野篤政「コンビニのスイーツ気にせず買うように」1年目からタイトルも狙う

スポーツ報知

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2023.6.13(火) 09:00

「首位打者」の目標を掲げたオリックス・茶野篤政(カメラ・義村 治子)

 オリックスの新人・茶野篤政外野手(23)が、スポーツ報知のインタビューに応じた。開幕直前の3月24日に支配下選手登録され、レギュラーとして奮闘している。ここまでリーグ3位タイの59安打、チームトップの6盗塁を記録。1日の広島戦(京セラD)では、育成出身ルーキーとして史上初の満塁弾を放った。公務員を目指したこともあるという新星。ここまでの歩みや夢などについて語り尽くした。

(取材・構成=長田 亨)

 ―ここまでの成績は。

 「よくできたというか、タイミングも良かったです。『持ってるな』と思いながら、ここまで来ることができました」

 ―育成から支配下選手登録されたのが、開幕1週間前。

 「開幕戦でスタメンで使っていただき、1打席目に初球を振ることができました。当たりは良くなかったんですけど、結果的にヒットがつきました【注】。ヒットじゃなければ、ここまで試合に出られていないかもしれません」

 ―交流戦ではセ・リーグの投手とも対戦している。

 「バウアー投手にはビックリしました。球が速く、変化球の曲がりも大きい。例えばスライダー。コントロールがいいし、振らせたい、カウントを取りたい、と意図がはっきりする球でした。中日の高橋宏斗投手もすごかったですね」

 ―ファーストストライクを振ることを心がけている。

 「頑張って、無理をしてでも、そこは一年を通してやっていきたいです。調子が悪くなると球を見たくなって、手が出なくなるんですけど…。待って四球を選ぶタイプでもないので、凡打でも気にせず、割り切っていこうと思っています」

 ―4月中旬には打率が2割4分6厘まで下がった。打席の位置を変える工夫などもしていた。

 「捕手寄りの後ろに立っていて、左投手の球が見えにくかったり、高めを振ることが多くなっていたんです。小谷野(打撃)コーチに助言をいただき、前に出たり、戻したり、と。外に逃げる変化球が届いたりするので、球の見え方がおかしいと思えば、立ち位置を変えるようにしています」

 ―大学(名古屋商大)時代は公務員を目指していた。

 「大学の時に公務員試験の講座があって、野球部のみんなで説明だけ聞きに行ったんです。野球以外に、やりたいこともなかったので。市役所や県庁とか(収入面も)安定しているだろう、と。それだけで公務員を目指したことがあります(笑い」

 ―実際に勉強もした。

 「公務員試験のための勉強なので、数学や英語を。本格的ではなく、週に1度、3時間ぐらいある講座を受けていました。大学4年の時に『もうちょっと野球を頑張りたい』と思って、そこからは野球一本。勉強もしなくなりました」

 ―四国IL徳島で活躍し、プロ入りの夢をかなえた。生活も変わった。

 「あまり生活は変えていません。強いて言えば、コンビニのスイーツ。独立(リーグ)の時は、300円ぐらいでも『高いからやめよう』ってなっていたのを、ちょっとは気にせず買うようになれました。ちなみに、モンブランが好きです(笑い)」

 ―どういう選手になりたい。

 「試合に出続けて、タイトル争いに絡める選手になりたいです。首位打者や最多安打。もっと盗塁もしていきたいです。今年からでも、思い切って絡んでいきたいです」

 【注】3月31日の西武戦(ベルーナD)に「8番・右翼」で、育成出身の新人では史上初の開幕スタメン。3回先頭のプロ初打席で、高橋の初球フォークを三塁内野安打にしてプロ初安打。

 ◆茶野 篤政(ちゃの・とくまさ)1999年8月4日、滋賀県生まれ。23歳。中京学院大中京から名古屋商大、四国IL徳島を経て、22年育成ドラフト4位でオリックスに入団。プロ通算58試合で打率2割6分9厘、1本塁打、19打点、6盗塁。175センチ、80キロ。右投左打。推定年俸500万円。独身。

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