◆日本生命セ・パ交流戦　日本ハム０―１広島（７日・エスコンＦ）

　ＮＰＢデビューからわずか１３日で、球史に名を刻んだ。３回１死一、二塁。日本ハムの加藤豪将内野手（２８）が九里の１３５キロ外角カットボールを捉え、美しいライナーが中前に弾んだ。５月２５日の初出場から１０試合連続安打。５０年に伊藤利夫（近鉄）がマークしたＮＰＢ新人記録（２リーグ制以降）に並んだ。

　ゲン担ぎをやめても、安打は続いた。６日まで「連続安打の間は」と洗わずに着用し続けた手袋を「言葉に表せないくらい臭かった」と封印。８回にも２番手左腕から中前へ運び、４戦連続６度目のマルチ。交流戦は４割８分３厘で堂々の首位打者だ。「手袋のおかげで打っていたわけじゃないと証明できた」と無邪気に笑った。

　“カメレオン打法”で日本球界に旋風を起こしている。４本塁打は全て中堅から右翼方向へのソロで、得点圏で放った４安打はすべて中堅から左翼方向への安打。「加藤豪将のプレースタイルは、求められたことをやることなので」と無走者では引っ張りの長打を狙い、好機ではコンパクトに逆方向へ。「僕はいろんな打者になれる」と相手投手が対策しづらい打撃スタイルで安打を量産している。

　米国流の精神も好調を支える。開幕直前に右腹斜筋肉離れで離脱。４月はチームも５連敗を喫したが、今季ＭＬＢで開幕１３連勝したレイズの選手と連絡を取り「『逆に怖い』って言ってました。うちは５連敗。勝っても負けても怖いなら、勝敗に感情を入れなければいいじゃんって思いますね」と笑い飛ばした。

　７３年ぶりにＮＰＢ記録に並んだ。「１８歳のルーキーがいる中で、２８歳なのにいいのかな」とこぼしつつ「チームに貢献しようとできることをやったら記録になっただけ。これからも頑張ります」。チームは完封負けで２連敗となったが、謙虚な逆輸入ルーキーの快進撃は続く。（内田　拓希）

　【記録メモ】　ルーキーの加藤豪（日）が新人では２リーグ制以降で最多タイとなるデビューから１０試合連続安打をマーク。５０年の伊藤利夫（近鉄）に並んだ。伊藤は最初の３試合は代打、代打、代走からの出場。その後は先発ですべて３番に入った。加藤豪はすべて先発だが、この日まで６番で２試合、１番で１試合、５番で２試合、３番で４試合出場。この日は２番に入り、５つの打順で安打をマークしたことになる。

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