◆日本生命セ・パ交流戦　中日１―５オリックス（３日・バンテリンドーム）

　中嶋聡監督（５４）の鮮やかなタクトで、オリックスが逆転勝ちを収めた。１点を追う７回、積極果敢な代打攻勢に出た。１死一、二塁で、まず杉本の代打に森。中飛で第１弾は不発に終わったが、２死から紅林に代えて送ったゴンザレスが左前同点打。四球で満塁とした後、この回３人目となる山崎福の代打・中川圭が左翼線へ勝ち越し２点二塁打を放ち、試合をひっくり返した。

　本来なら中軸だが、下半身のコンディション不良でベンチスタートだった中川圭。「いいところで行くぞ、と言われていたので。準備をしていた」と集中力を高めていた。指揮官は「俺、何もしてないですよ。打ったのは選手。それまで寝てましたからね、打線が。やっと起きたのかなと。最初からお願いしますよ」と苦笑した。

　「何番がいい？」と試合前、冗談交じりに聞いた相手は若月。希望をかなえ、２１年の交流戦でも座った２番に起用した。「今が一番（疲労の）ピークと言えばピークかもしれない」。開幕から５２試合。選手の体調面に気を配り、オーダーを組む毎日だ。

　この日ともに無安打で代えられた杉本も紅林も当然、欠かせない戦力。「競争意識ですね。欲しくなるでしょう、結果が。それはいいことだと思うんですけどね」と指揮官は強調。目の前の１勝を取り、個々の意識を高めることにも成功した。今季最多タイの貯金８とし、首位ロッテにゲーム差なしに迫ったチームは、中嶋流の巧みな操縦法で勝ち進む。（長田　亨）

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