ロッテドラ2・友杉「任された試合、必死にやっています」走攻守に際立つ存在感

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2023.5.22(月) 09:23

ロッテ・友杉 (C)Kyodo News

◆ 打率.315

 「バッティングに関しては率がすごい残っているので、そこに関しては、良いふうにできていると思います」。

 ロッテのドラフト2位・友杉篤輝(天理大)は規定打席に届いていないが、打率.315をマークし、現在5試合連続安打中だ。

 友杉は2月の練習試合の打率が.167(24-4)、オープン戦も最終盤まで3月11日楽天戦で放った内野安打1本だったが、『9番・遊撃』でスタメン出場した3月25日の中日戦で3安打。柳裕也に対して3回の第1打席、初球のインコースをレフトライン際に二塁打を放つと、6回の第2打席もセンター前に運んだ。

 開幕一軍を掴んだ友杉は、プロ初スタメンとなった4月2日のソフトバンク戦、0-4の6回一死走者なしの第3打席、先発・東浜巨が1ボール1ストライクから投じた3球目の143キロストレートをショートへ弾き返し、これが内野安打となりプロ初安打を記録。藤岡裕大と併用でスタメン出場し、先発した試合で無安打だったのは14試合中わずかに2試合しかない。

 オープン戦の最終盤で柳から2安打したことをきっかけに、打撃の調子が上向いた印象を受ける。本人に訊いてみると、「そうですね、最後のチャンスだと思ってあの試合に出ていたので、そういうのから開幕から残れているのかなとすごく感じています」と明かした。打率をみると、プロの投手の球にアジャストしているように見えるが、「まだまだだなと感じますね」とのことだ。

 打順は開幕から1番や2番を任されている。上位打線を打つことについて「打順は関係がないと思うので、そこはあまり感じていないです」とプレッシャーを感じることなく、自分の打撃をすることを心がける。

 またバットも開幕してからオレンジのバットを使っていたが、ここ最近は「僕のバットは人より短いバットを使っていたんですけど、人と一緒くらいの長さにしたり、いろいろ変えたり、自分でアレンジしている感じです」と、白木のバットを使っている。


◆ 1つ先の塁を狙った走塁

 「まだまだミスがあったり、課題はすごいあるんですけど、先の塁を狙う意識はすごくしています。課題はありますけど、そこは続けていきたいと思います」。

 本人は謙虚なコメントを残したが、走塁面での貢献も大きい。プロ初スタメンとなった4月2日のソフトバンク戦では、0-4の6回一死一、二塁で中村奨吾の三塁へのゴロで、三塁・栗原陵矢がベースを踏もうとした時に、二塁走者・友杉がスライディングをしており、間一髪足が速くセーフに。角中勝也の適時打で今季初のチーム得点に結びつけた。

 4月18日の日本ハム戦では、1-1の4回二死三塁で安田尚憲の1ボール1ストライクからの3球目に暴投で捕手が横に弾いただけだったが、俊足を飛ばしてスライディングすることなくホームインした。4月22日のソフトバンク戦でも、0−0の4回一死一塁で中村のバウンドした三塁へのゴロを捌いた三塁・栗原が二塁へ送球したが、一塁走者・友杉の足の方が速く二塁セーフを勝ち取ったこともあった。“1つ先の塁”を狙った走塁が目立つ。


◆ 守備で投手を助ける

 守備でも、広い守備範囲で、投手を助けている。センター前に抜けそうな当たりをひょこっと現れ、何事もなかったかのように捕球し、一塁アウトにすることが多い。4月8日の楽天戦で阿部寿樹が放ったセンター前に抜けそうな当たりをキャッチし一塁へランニングスローでアウトにすれば、4月18日の日本ハム戦では五十幡亮汰が二塁ベース付近に放ったゴロを、ひょこっと現れ捕球して一塁へ送球しアウトにした。

 「力強い打球が多いです」とプロとアマチュアの打球の違いを感じながらも、「守備範囲に関しては自信を持ってやっています。まだ出せているかなと思います」と、20日の楽天戦でプロ初失策を記録してしまったが、ここまでわずか1失策なのは立派だ。

 「とにかく1年間しっかり一軍にいて、任された1試合1試合、必死にやっています。目標というか、1試合1試合一生懸命やりたいと思います」。長いペナントレース、1年間戦い抜いた時に、どんな成績で終えているか今からの楽しみだ。

▼ 友杉篤輝の成績
16試 率.315(54-17)本0 点6 盗塁3
犠打5 出塁率.356 OPS.708 失策1

※23年5月21日時点

取材・文=岩下雄太

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