ロッテ・谷川唯人「強い打球が増えている」5月の二軍打率は.302 武器の肩でもアピール!

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2023.5.20(土) 09:00

春季キャンプで捕手練習をしていた時のロッテ・谷川唯人(撮影=岩下雄太)

◆ 課題の打撃で成長

 「打球が強くなったというか、スイング自体が強くなって、全部のボールに対して強くスイングを仕掛けられているというところで、自然と強い打球が増えているのかなと思います」。

 ロッテの育成・谷川唯人はプロ3年目の今季、ここまでファームで27試合・75打席立って、打率.239、7打点、得点圏打率は.313の成績を残す。5月に入ってから打撃好調で、5日の巨人二軍戦で2安打すると、同日から4試合連続安打、16日の楽天二軍戦では3安打、ZOZOマリンスタジアムで行われた19日のDeNA二軍戦でも、1-0の2回一死走者なしの第2打席、先発・小園健太が1ボール2ストライクから投じた4球目をセンター前に弾き返し、ZOZOマリンスタジアムで安打をマーク。5月は月間打率.302(43-13)だ。

 昨季までは構えの部分で時期によって肘を上げて打っていたり、下げて打っていたりとフォームを固定することができずにいたが、今季は固定されている印象を受ける。

 「打ちにいけるフォームというか、その球に入っていけるフォームが自分の中でしっくりしたというのと、足を使ってしっかり地面で捕まえている、踏んでいる感覚的なものもその構えから打ちに行くというのが一番しっくりきました。なので、それでやっていますね」。

 プロ1年目の21年は同年4月28日に「鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術」によりファームでの出場はわずかに4試合(1打席)、2年目の昨季は80試合に出場したが打率.119と、打撃面に課題があったが、現在は手応えを感じ始めている。

 「結果とか打率とかは気にせず、1打席でも多く自分の形、打球のフォームとかもそうですけど、打球の出方を意識して、アウトのなりかたでもライナーだったりとかだったら自分的にはOKという感じ。そういうイメージでやっています」。

◆「肩は武器」

 打撃で成長した姿を見せる谷川だが、最大の魅力はなんといっても“強肩”だ。捕手登録ではあるが、外野、三塁などでも出場する。特に外野では、谷川の武器が最大限に活かされている。5月6日の巨人二軍戦では、1-1の6回一死一、三塁で北村拓己が放った右中間の当たりをセンター・谷川がキャッチ。捕球体勢が悪かったが、ノーバウンドで三塁タッチアップを試みた菊田拡和を刺せば、5月14日の日本ハム二軍戦でも5-0の8回無死一、三塁から加藤豪将のライトフライをキャッチし、三塁からホームを狙った郡拓也をワンバウンドの強い送球でタッチアウトにした。

 「どのポジションであっても肩は武器なので、それを活かせる部分があるならしっかりアピールしていきたいです」。

 昨年6月にオンライン取材した時には「前後の打球というのはまだ慣れないというところがありますね」と外野の守備の難しさについて語っていたが、現在は「去年やっていたというのもあって、難しいですけど対応は少しできるようになっていると思います」とのこと。

 今季は外野で18試合、三塁で8試合出場しているが、捕手での出場はここまで5試合。もちろん、捕手として出場したいという気持ちは変わらず持ち続けている。

 「まずは支配下になることなので、色々なポジションをやっていますけど、最終的にはキャッチャーだと思います。いつチャンスが来るかわからないので、今はしっかりと託されたポジションでしっかりアピールしていって、キャッチャーのチャンスが来たらそこで掴めるようにしたいと思います」。支配下選手登録を目指し、奮闘する背番号『122』。与えられたポジションで結果を残し続けた先に、二桁の背番号が見えてくる。

取材・文=岩下雄太

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