◆パ・リーグ　オリックス０―１日本ハム（１９日・京セラＤ大阪）

　日本ハムがオリックスを下して今季２度目の３連勝を飾り、開幕２カード目以降では新庄剛志監督（５１）の就任２年目で初の４位に浮上した。両軍無得点の８回１死二、三塁から「勘」で代打起用したアレン・ハンソン内野手（３０）が、ＮＰＢ初安打初打点となる決勝の右前適時打。１８日・西武戦（エスコン）の谷内に続き、２日連続で途中出場の選手が決勝打を放つ“新庄マジック”がさく裂した。

　波に乗る新庄監督に、天啓が降りてきた。０―０の８回１死二、三塁。得点圏打率６割と勝負強い３番・水野に代えて球審に告げた代打は、試合前まで計３打数無安打のハンソンだった。

　「なんか知らんけど、ヒット打ってない『ハンソン』の名前が（脳裏に）降りてきて、急に行ってもらいました」

　急きょ指名を受けた助っ人は１４６キロの外角直球を右前へ運び、殊勲の決勝打。初のお立ち台に上がり「信頼されているのを実感できた」と笑顔がはじけた。

　念願の「ポイントゲッター」が結果を残した。故障者が続出して最下位に低迷していた４月下旬、新庄監督はエスコンのグラウンドを訪れた小村球団社長に「６番打者」の獲得を直談判。おねだりが実って独立リーグ・ＢＣ茨城から電撃加入したのが、メジャー通算２６１試合で１２発の実績を誇るハンソンだった。

　背番号は「９４」だが電撃加入でユニホームが間に合わず、けがで帰国中のガントから借りた「４２」を背負う。新庄監督は「ああいう場面で新しくファミリーとして入って来たハンソンが打ってくれたら、彼も乗ってくれる」と笑顔を見せつつ、新助っ人の魅力を問われると「分からない。（安打）１本しか見てないんだよ。よう使ったよ！」と冗談めかした。

２度目３連勝　１８日の谷内に続いて途中出場の選手が決勝打を放つ神がかり的な采配で３連勝だ。開幕２カード目以降では新庄政権初の４位に浮上し、「乗って行けてますよ。ここ１０試合で全然、引けを取っていないし。不気味なチームだと思いますよ」。それでも指揮官が見つめるのは、５・５ゲーム差の首位・ロッテの背中。「４位でも３位でも２位でも上を目指すだけ。ありきたりのコメントですみません」と目を鋭くし、「目の前の１勝を目指しとんだよ」と続けた。日本ハムは借金４で、貯金４の２位ソフトバンク、３位オリックスとは４ゲーム差。真価が問われるのはここからだ。

（内田　拓希）

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