日本ハム・上沢直之投手（２９）が本拠地初勝利を懸け、２９日のソフトバンク戦（エスコン）で先発登板する。高卒同期で昨季までの同僚・近藤健介外野手（２９）との初対戦を「すごく楽しみ」と心待ちにした右腕。チームは２８日の同戦で延長の末に３―６で敗れ、最下位脱出に失敗しただけに「勝てる投球をしたい」と自身２連勝へ気合をにじませた。

　上沢が今季初の鷹狩りに挑む。ソフトバンク戦は昨季６登板で１勝４敗、チーム別ワーストの防御率５・５９。柳田、栗原ら左の巧打者がそろうだけに「いい打者ばかりだし、足の速い選手も多い。神経を使う場面がすごく多かった。今回は一人一人、丁寧に切っていきたい」と難敵攻略へのイメージを膨らませた。

　中でも警戒するのが、高卒同期で昨季まで１１年間共にプレーした近藤。抜群の選球眼は今季も健在で、開幕から上位で打線をけん引する。「簡単に追い込まれても気付いたら（カウントが）３―２になっている。今まで味方で見てきたけど、やっぱり敵になっても本当にいいバッター」と認める存在だ。だが、負けるわけにはいかない。「ボール球を投げても振らないので、どんどんストライクゾーンで勝負できたら。すごく楽しみ。打たれないようにしたい」と攻めの姿勢で、近藤斬りに挑む。

　２８日は本拠地で最終調整し、練習後には近藤と笑顔で会話も交わした。エスコンではここまで２戦未勝利、防御率７・８４と苦しい投球が続く。２勝目を挙げた２２日・楽天戦（楽天モバイル）では８回途中３失点と先発の役目を果たしただけに、次こそ本拠地での快投に期待が懸かる。「見に来てくれる方にいい試合だったと思ってもらえる投球がしたい」と背番号１５。同期対決を制し、昨年から続くソフトバンク戦の連敗も３で止める。

（堀内　啓太）

　〇…豪快な一発も勝利にはつながらなかった。４回１死一塁、ソフトバンク先発・石川の１４６キロ直球を万波中正外野手（２３）がバックスクリーンにライナーでたたき込んだ。３―３と追い付く一打を「取り返すことができて良かった」と万波は振り返ったが、試合はそのまま進み、延長１０回、４番手・池田が柳田に３ランを浴び３―６敗戦。勝てば５位浮上となった一戦を、制することはできなかった。

　〇…日本ハムはエスコンフィールド内に計１１店舗の飲食ワゴン店＆キッチンカーを展開すると発表した。２８日からは新庄剛志監督（５１）が現役時代から通い続ける旭川市のカレー店「クレイジースパイス」が出店を開始。試合前には新庄監督から報道陣へ、同店舗の「エスコンフィールドカレー」が１００食分振る舞われた。

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