◆パ・リーグ　ロッテ３―５西武（２５日・ＺＯＺＯマリン）

　パ・リーグは単独首位だったロッテが敗れ、西武とオリックスが勝ち、３チームが１２勝８敗の勝率・６００で首位に並ぶ大混戦。２０試合以上を消化し、３チームが同率首位で並ぶのは０９年４月２９日のパ以来１４年ぶり。２リーグ制（５０年）以降、両リーグ４度目の珍事だ。

　向かい風にも負けなかった。初回２死二塁。美馬の１３５キロのスライダーを中村がフルスイングすると、打球は強い風にあらがうように左翼席中段に舞い降りた。４号２ランに「打てて良かったです」。チームを首位タイに浮上させるＶ弾を、淡々と振り返った。

　山川が右ふくらはぎの強い張りを訴えて１０日に登録を抹消されて以降、出場時は４番に座る。山川不在の心境を問われても「あんまりないです」。そこは本塁打王６度、打点王４度のアーチスト。「状況に応じてしっかり考えています」。１６試合で９打点と４番の仕事をしっかりとこなしている。

　８月で４０歳になる大ベテランが１月の自主トレで目標に掲げたのが、この日で残り４２本に迫った通算５００発。「結構難しい数字なので、それに近づけるように」とバットを改良。約８５センチ、９００グラムとサイズは変えず、キングを獲得した当時の形に戻し、グリップを少し細め、先端をくりぬいて振り抜きやすくした。

　昨年、１９５６三振のプロ野球記録に達したが、この日３三振で１９９８三振。２０００の大台へあと２。スラッガーだからこその大記録。「本当は三振したくないですけど…。もうちょっとで２０００個目なんでしないように頑張ります」。山川、源田と主力が不在ながら首位に並ぶ西武。単独首位へ、中村が追い風を吹かせていく。（秋本　正己）

◆セ１度パ３度　パ・リーグは３チームが１２勝８敗の勝率．６００で首位に並んだ。２リーグ制（５０年）後、２０試合以上を消化した３チームが同率首位は０９年のパ以来、１４年ぶり４度目（セ１度、パ３度）。

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