【ロッテ】佐々木朗希「1点取られたら勝てなくなる」初回から全開!7回11K無失点で山本由伸との初対決制す

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2023.4.15(土) 05:45

力投する山本由伸を見つめる佐々木朗希(カメラ・清水 武)

◆パ・リーグ ロッテ2―0オリックス(14日・ZOZOマリン)

 “最強右腕対決”は朗希に軍配が上がった。3月のWBCでも侍ジャパンの世界一に貢献したオリックス・山本由伸投手(24)とロッテ・佐々木朗希投手(21)が初めて直接対決。山本が6回5安打1失点9奪三振と好投すれば、佐々木朗は5回まで走者を一人も許さず、7回1安打で11三振を奪い2勝目を挙げた。

 最後の打者・ゴンザレスを沢村が中飛に打ち取ると、朗希はベンチ前で両拳を突き上げた。「日本一のピッチャーだと思っている」という山本との直接対決に勝ち、「1点取られたらもう勝てなくなると思ったので、どうにか結果に結びついてよかった」と声を弾ませた。

 2万9088人の大観衆が詰めかけた中、初回からエンジン全開だった。最大風速8メートルの風を味方に付け、160キロ超えを連発。茶野、ゴンザレス、森、杉本を4者連続三振でスタートすると、3回も1死からイニングをまたぎ5者連続三振。“因縁”のあった白井球審も甲高い声で「ストラーイクッ!」の連続だった。

 4回までに10奪三振で、5回まで完全投球。昨年4月10日にオリックス相手に達成した完全試合の再現を予感させたが、6回先頭の西野を歩かせ、続く若月の中前安打で“ノーノー”はストップ。終盤はボールが浮く場面も見られたが、7回1安打無失点、11奪三振。105球の熱投で、最速は163キロをマークした。

 最強右腕対決に打ち勝ったのは“NEW朗希”が確立されたからだ。昨季終わりから本格的に練習に取り組み、WBCでもダルビッシュにアドバイスを受けたスライダーが効果的だった。前回登板まで主に打者2巡目から使用していたが、この日は2回から使用。さらにこれまでは右打者のみに投じていたが、4回に初めて左打者の森に使用した。朗希は「作戦の一つなので」と話すにとどめたが、捕手を務めた佐藤都は「(これまでは)投げる勇気がなかったのか。でも使った方がいいと思って」と説明した。 目安とされていた90球に6回で達したが、7回も続投した。「ゆくゆくはチームのエースにならないといけない投手。球数オーバーしたけど苦しいところを経験させたかった」と吉井監督。その期待にもしっかり応え、指揮官は「またレベルが1つ上がったんじゃないかな」と目尻を下げた。

 今季は2試合で13イニングを投げ、わずか2安打で無失点、22奪三振と無双状態。目標に掲げる奪三振と防御率のタイトルの最大のライバルが山本だが「まだシーズン序盤なので気にせず。1試合1試合を積み重ねて、そのなかで(タイトルは)イメージできるもの」と冷静に前を見据えた。(小田原 実穂)

 ◆朗希と白井球審 球審を務めたのは白井一行審判員(45)。昨年4月24日のオリックス戦(京セラD)では判定への態度を巡って佐々木朗が白井球審に詰め寄られる場面があり、物議を醸した。その後の登板試合でも塁審に入ったことはあったものの、球審を務めるのは同戦以来となる。ちなみに白井球審は3月7日に行われたWBC強化試合・オリックス戦(同)で一塁塁審を務め、出塁したエンゼルス・大谷に胸を小突かれるなどいじられる場面があった。

 ◆茶谷健太が決勝打「絶対に打ちたかった」◆ 伏兵の茶谷がV打を放った。両軍無得点の4回2死一、三塁。山本のカーブに食らいつくと、打球は三塁手のグラブをかすめ左前への先制打となった。吉井監督が前日にひらめきで起用を決めたという25歳が期待に応え、朗希の2勝目に貢献。7回にも左前安打をマークし「スタメンで使ってもらったので絶対に打ちたかった」と気持ちを見せた。

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