ロッテ、開幕3連敗スタートも…本拠地マリンで5連勝!

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2023.4.9(日) 19:06

ロッテの選手たち(C)Kyodo News

◆ 本拠地・ZOZOマリンで5連勝

 ロッテは先週の今頃、敵地・PayPayドームでの開幕3連戦に3連敗、打線も奪った得点がわずかに3と苦しい船出になったが、ZOZOマリンスタジアムで行われた今週は5試合全て勝利し5連勝。

 4連勝で迎えた9日の楽天戦は初回二死満塁の好機で、安田尚憲が先発・岸孝之が投じた初球のチェンジアップをライト線に2点適時二塁打で幸先よく先制。昨年の8月以降は試合序盤に満塁のチャンスを潰し、試合中盤に先発が力尽きて失点するという試合が多かった中で、初回に満塁のチャンスで2点を挙げたのは、2回以降有利に試合を運べ、非常に大きな2点となった。

 2回も一死走者なしから9番・平沢大河がライト前に運ぶと、1番・藤原恭大の右中間を破る当たりで一塁走者・平沢が長駆ホームインし2点目。藤岡裕大の四球で一、二塁とし、中村奨吾のレフト前の適時打、さらにポランコ、安田の連続適時打でこの回一挙4点を挙げた。

 立ち上がりボールが先行しながらも無失点に抑えていた先発・種市篤暉は、3回以降ストライク先行のピッチング。3回は12球、4回は11球と少ない球数で楽天打線を封じた。勝利投手権利のかかる5回も四球による出塁を許したが、後続を断ち切った。6-0の6回も1番から始まる上位打線も危なげなく三者凡退で、6回・95球、1安打、7奪三振、無失点と試合を作った。

 6-0の6回裏には、4番・山口航輝の押し出し四球、7回には安田と藤原の本塁打で3点を加え、ロッテペースで試合は進んでいく。種市の後を受けたリリーフ陣も、西村天裕が2回を無失点、この日昇格した横山陸人は黒川史陽に一発を浴びたが1回1失点で、10-1で勝利した。


◆ 若手が躍動も

 ZOZOマリンスタジアムでの5試合を振り返ると、4日の日本ハム戦は初回に先発・西野勇士が3点を失い、その後同点に追いつき、4回に再び勝ち越されたがその裏に藤原、荻野貴司の連続適時打で逆転し、6回以降は継投で逃げきり。5日の試合は0-1の7回に暴投で三塁走者に続き二塁走者の藤原が生還し逆転し、8回・ペルドモ、9回・益田のリレーで勝利。6日の試合は打線が10安打6得点を奪えば、WBC帰りの先発・佐々木朗希が6回1安打無失点で今季初勝利を挙げた。

 試合のなかった翌7日に荻野が『右大腿二頭筋肉離れ』と診断され一軍登録を抹消。荻野離脱というピンチの中、8日の楽天戦でその荻野に代わって昇格した平沢大河が3-4の8回に値千金の逆転2ラン。9日の試合は種市、安田、藤原といった若手が躍動し大勝した。

 熱いファンの前で投打ともに期待の若手がしっかりと仕事をし、ZOZOマリンでの5連勝はチームに勢いがつく。1週間前に3つあった借金もあっという間に借金を完済し、気がつけば貯金は2つ。得点力不足、打線を不安視する声が多かった中で、今週は5試合で29得点、チーム得点はソフトバンクと並んでリーグトップタイの32得点となった。

 これまで何百回も述べてきたように、ロッテというチームは苦しい戦いが続くのかなと思ったところで、大型連勝をしたり、その逆ということが何度もあった。好不調の波が大きく、その時のチーム状況だけでは判断できない。“期待の若手”の活躍が続いたのは嬉しいが、“継続”という部分では若手選手、そしてチームとしてもここ何年も課題にしている。11日からは敵地で投手力が良い西武、週末は同じく投手力を武器にするオリックスとZOZOマリンで3連戦。“1点を守り抜く野球”で勝っていくという意味では、西武とオリックスもロッテと似たような特徴を持つチーム。そういった相手に対して今季初対戦で、どういった戦いを見せることができるのか。ひとつ注目ポイントになりそうだ。

 開幕したばかりで順位や貯金を全く気にする時期ではないが、1年間大きな波がなく戦うためにも大きな連敗をしないことが大切、勝ち癖をどんどんつけていきたい。来週が終わった時に、今年のロッテはやっぱり違うな、と思わせるような戦いを見せていてほしい。

文=岩下雄太

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