【日本ハム】上沢がオリックスに12連勝…チームの連敗5で止めて今季1勝目

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2023.4.9(日) 03:00

力投する先発・上沢

◆パ・リーグ オリックス2―6日本ハム(8日・京セラD大阪)

 今季2度目の先発となった日本ハム・上沢直之投手(29)が8日、オリックス戦で今季初勝利を挙げ、チームの連敗を5で止めた。7安打を浴びながら、4番・森を要所で2度封じるなど5回2失点と粘投。18年4月24日(札幌D)から続く自身の対オリックス戦の連勝を12とした。打っては「6番・遊撃」で先発した上川畑大悟内野手(26)が4回に今季初打点となる決勝2点適時打。直近3戦で10打数無安打と苦しんでいた男が意地を見せた。

 連敗を止めたのは、やはり上沢だった。5回92球で2失点。18年からオリックス戦で負けなしの“猛牛キラー”が、被安打7、与四死球4と毎回走者を背負いながら粘り抜き、今季初白星をたぐり寄せた。援護にも恵まれた右腕は「何とか勝ててよかった。野手が点を取ってくれて勝てた試合」と素直に頭を下げた。

 要所でギアを上げた。逆転を許した2回。なお2死満塁で、打席には昨季対戦打率3割の森。1打席目に逆球の直球を痛打された主砲に対し、2球連続カットで追い込み、最後も低め138キロで二ゴロに斬った。3度目の対決となった4回2死二、三塁では更に曲がりの効いたスライダーで中飛。直球の制球に苦しむ中、カットとスライダーに活路を見い出し、踏ん張った。

 不運な形で失点した2回も動揺はゼロ。4回からは無走者でもクイックを織り交ぜ「今一番いい球を投げられる形」とタイミングを修正した。引き出しの多さ、5連敗を阻止した昨年5月に続く“ストッパー”ぶりも発揮し、先発陣では今季初勝利。だが「満足できる内容じゃない」と笑顔はなかった。12年目の目標は全成績でのキャリアハイ。試合後、唇をかんで球場を後にする背中は頼もしく見えた。

(堀内 啓太)

 

【上川畑 決勝打で今季初打点】

 2年目の「脇役」が、執念の一打でヒーローになった。同点に追いついた直後の4回1死二、三塁。上川畑は「気持ちで食らいついた」と本田の外角低めフォークを右手一本で中前に運んだ。試合前まで打率は0割台。「ヒットになって良かった」と頬を緩めた。

 鉄壁の守備を武器に自身初の開幕スタメンをつかんだ2年目。だが直近3戦で10打数無安打と快音は響かず「連敗も続いて、自分自身もチームに迷惑をかけていた」。苦しむ26歳が見せた意地の一打に「バットに当たったら何か起こるというのを皆に見せてくれた」と新庄剛志監督(51)も拍手を送った。

 昨年11月、父になった。「スクスク育っている。僕も頑張らないと」。東京の自宅から応援してくれている妻、長女とのビデオ通話は新米パパにとって何よりの癒やしだ。8回には今季初犠打も決めて好機を演出。背番号4は「僕は主役じゃなくて脇役。優勝の一員になれるように役立っていきたい」と胸を張った。

 〇…矢沢は「1番・右翼」で4戦ぶりに先発し、プロ初マルチとなる2安打で打線を勢いづけた。「1番は1打席目が大事」と初回先頭で右翼線二塁打を放つと、1死三塁から内野ゴロの間に生還。7回2死一塁では右前打で好機を拡大し、直後の追加点につなげた。ベンチスタートの日は意欲的にブルペン入りして投打二刀流調整も続ける中、バットで連敗阻止に貢献。ドラ1は「いい打席だった。今は野手で結果を出していきたい」と鼻息荒く話した。

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