【西武】松井稼頭央監督が3戦目で新人監督1勝一番乗り「選手の時はこんなにドキドキせんかった」
スポーツ報知
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2023.4.3(月) 05:35
◆パーソル パ・リーグ 西武4―1オリックス(2日・ベルーナドーム)
西武の松井稼頭央新監督(47)が、オリックス戦で待望の初勝利を手にした。同点の8回に、2軍監督時代から指導してきた鈴木将平外野手(24)の2点三塁打などで勝ち越し、3戦目で今季の新人監督一番乗りで白星を挙げた。
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「道のりは2試合でも(長く)感じたんでね」。初めての勝利インタビュー。松井監督はウィニングボールで膨らんだジャンパーのポケットをさすりながら、しみじみと喜びを口にした。
監督業とは耐えること。「選手の時はこんなにドキドキせんかった。見守るって、こんなに緊張するもんなんやと思いましたね」。3点を勝ち越した直後の9回。マウンドには開幕戦で同点アーチを浴びたドラフト4位の青山を送った。「やり返してほしいと思っていた」と起用に迷いはなかったが、1死一、二塁とまたもピンチを招いた。それでも見守るしかない。若き新守護神候補は、気合で後続を断ってプロ初セーブ。気持ちの強さを買って抜てきした右腕のリベンジに「自信になったんじゃないかな」と目を細めた。
日本一軍団の底力を見せつけられた連敗スタート。「眠れなかった? そこはまぁまぁまぁ」と笑顔でかわしたが、連日満員のホーム開幕カードで何としても1勝が欲しかった。上位打線には手をつけなかったものの、6番に「オープン戦で非常によかった」という鈴木を起用して得点力アップを図った。2軍監督時代から指導してきた7年目の左打者は、8回に決勝の2点三塁打。ズバリとはまった用兵も監督業の醍醐(だいご)味。「これからも若い選手の力を借りていきたいですね」と会心の笑みだ。
新指揮官の期待に応えた鈴木は、ワゲスパックの速球を捉えた当たりよりも、右翼線への打球で迷わず三塁まで駆け込み、次打者への暴投で生還した“走魂”に「あれは大きかったですよね」と胸を張った。スピードスターとして球史に名を刻んだ新監督が発案したチームスローガンも着実に浸透。新生西武特急が、高らかに出発の汽笛を響かせた。(星野 和明)
◆松井 稼頭央(まつい・かずお)1975年10月23日、大阪府生まれ。47歳。PL学園から93年ドラフト3位で西武入団後、投手から内野手に転向。スイッチヒッターとして活躍した。2004年からメッツなどでプレー。11年に楽天入り。18年に西武へ復帰し、同年限りで引退。MVP1度、盗塁王3度、最多安打2度など。02年にトリプルスリー達成。日米通算2705安打。177センチ、85キロ。右投両打。
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