【日本ハム】ドラ1矢沢宏太がプロ初安打!…母・香さん観戦記「大歓声と拍手ー我が子と思えなかった」

スポーツ報知

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2023.4.2(日) 03:00

プロ初安打を放ち代田コーチ(左)とタッチする矢沢

◆パーソル パ・リーグ 日本ハム4×―3楽天(1日・エスコンフィールド)

 日本ハムのドラフト1位・矢沢宏太投手(22)=日体大=が1日、本拠地の楽天戦に「1番・右翼」でプロ初出場し、2打席目に初安打を放った。試合前には円陣での声出し役も務め、3回先頭で技ありの中前打。3万637人の観衆と応援に駆けつけた家族の前で鮮やかなデビューを飾り、新球場チーム初勝利のサヨナラの歓喜の輪に飛び込んだ。球場で雄姿を見届けた母・香さん(46)はスポーツ報知に観戦記を寄せた。

 大歓声を一身に浴び、力強く両手を3度たたいた。0―0の3回先頭。矢沢は追い込まれてから、体勢を崩されながらも楽天・滝中の低め102キロスローカーブを粘り腰で中前に運んだ。「全球種を待ちながらいい反応ができた」と見送ればボールの初見の変化球を一撃で捉えた。

 結果で応えた。「絶対出たかった」と振り返る開幕戦は出番なし。だが31日の練習中に新庄剛志監督(51)から「あした1番ライト」と告げられた。「絶対1本打ってやろうと。緊張はなかった」。一邪飛に倒れた初打席から、フルスイングを貫いた。「不思議。すごいヒットを打つ」とその意外性に懸けた指揮官も、記念の一打に「よかったよかった」と目尻を下げた。

 特別な思いで打席に入った。開幕戦に続き、この日も母・香さんらがユニホームを着て応援へ。試合後、初安打の記念球について問われた22歳は「お母さんにあげたい」と即答した。ドラフトで指名漏れした高校3年の冬、父・明夫さんが他界。心の支えとなり、見守り続けてくれた母へ―。開幕前夜「目の前で必ず打ちたい」と誓っていた男は、有言実行の恩返しを見せた。

 満足はしない。同点の7回には絶好機で代打を送られ「打ったらヒーローだった。1年かけて代打を送られない存在になりたい」と背番号12。悔しさも味わったデビュー戦は劇的なサヨナラ勝利で幕切れ。歓喜の輪に加わったドラ1は「1勝するのがこんなにうれしいんだって。野球やってて幸せだと感じた一日でした」と笑った。超満員の新球場で刻んだ第一歩。二刀流ルーキーのプロ野球人生が、ついに幕を開けた。

(堀内 啓太)

 

【母・香さん観戦記】 初安打、おめでとう。超うれしかった。やったー。とてもハッピーな日になりました。いつも多くは会話をしないので、試合後に会えたら「ナイスバッティング」と一言伝えたいです。

 満員に埋め尽くされたこの球場で、宏太に球場中から大歓声と拍手が注がれました。その姿は、我が子とは思えなかった。それぐらいの感情になりました。サヨナラ勝ちの瞬間も大興奮。こんなにステキなチーム、ステキな選手たちと野球ができて本当に幸せだと思います。

 性格は昔から超サッパリ。いつも塩対応で、長文のメッセージが来ることなんて全くない。開幕戦のチケットも何も言ってこないから、娘が自力で頑張って取ってくれたんです(笑い)。

 そんな息子が「初安打の記念ボールを母に」と言っているようで、それを聞いた時は本当に泣きそうでした。すごくうれしかった。お父さんにも、いい報告ができるんじゃないかな。本当に応援してくれてたから。ボールは仏壇の前に飾るね。小さい頃からいつも「野球、楽しんでね」とだけ伝えてきました。プロ野球人生はこれから。「いつもどおりやれば宏太なら大丈夫だよ」。主人も、きっとそう言っていると思います。

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