【西武】松井稼頭央監督、OB金村義明氏に“走魂”で機動力野球復活誓った「相手にプレッシャーかける」

スポーツ報知

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2023.2.16(木) 05:00

松井監督(右)と対談し、笑顔で握手する金村義明氏(カメラ・小泉 洋樹)

 西武・松井稼頭央監督(47)と球団OBでもあるスポーツ報知評論家の金村義明氏(59)の対談がこのほど実現した。同監督がパ・リーグMVPに輝いた1998年を始め西武で3年間、プレーするなど親交の深い金村氏が新指揮官の目指す野球に迫った。

  金村(以下金)「練習を見ていると、ベテラン監督という雰囲気を受けた。他球団は2月1日にキャンプインしているのに、ライオンズは6日。焦りはなかった?」

 松井(以下松)「あの5日間はすごく長く感じましたが、選手は有意義に時間を使えるのではないかなと。キャンプにもいい入り方をしてくれました」

 金「西武の東尾(修)さんを始め、日米でいろいろな監督の下でプレーしてきた。楽天時代には星野(仙一)さんが監督だった」

 松「星野さんは練習の時はすごく穏やかなんですけど、ユニホームを着た瞬間、近寄れなかった。厳しさも、優しさも、情熱もあり、メリハリがありましたね」

 金「昨年はチーム防御率が2・75でリーグ1位。投手陣では平良がセットアッパーから先発に回る。その代役を含めて投手陣の構成は?」

 松「先発は高橋を筆頭に今井、松本と若くても経験を積み重ねている投手に引っ張っていってほしいと思います。平良の穴は(昨年最優秀中継ぎの)水上もいますし、最終的には(抑えの)増田が構えていてくれているので」

  金「14日のランチタイムに、監督が全選手の前で開幕投手が高橋と発表してケーキもプレゼントしていた。時代を感じたね」

 松「本当は13日(※1)にしようと思ったんですけど雨でしたから。バレンタインのプレゼントを男からもらうのもうれしくないと思いましたが…」

 金「そうか、俺にくれるのかと思ったよ(笑い)。途中で呼ばれたら『稼頭央を男にしてくれよ』と言うつもりだった。それはそうと、以前に比べて西武の野球は小技が減って、大味になった印象がある」

 松「バッテリーを含めて、1点をどう守っていくかが大事になってきます。チームプレーなど、一つ一つを丁寧に確認していこうと選手も含めてしっかりやっています」

 金「昨年は(前監督の)辻さんの下でヘッドコーチを務めた。その経験は生かしてどんな野球をしたい?」

 松「走るよ、走るよと相手にプレッシャーをかける走塁はしたいと思っていましたから、昨年の秋からその考えを選手たちにも伝え、その意識を持ってやってもらっています。選手の意識も変わってきていると思いますが、僕たちも根気強く言っていかないといけない」

 金「それが今年のスローガンの“走魂”(※注2)につながっている」

 松「そうなんですよ」

 金「松井稼頭央2世をつくってほしいな。一緒にプレーしていた頃は1番から3番の松井、大友、高木大がノーサインで走り回っていた(※注3)」

 松「走れる選手は多いと思います。僕はどんどんチャレンジしたいし、それくらいの走力もある。金子も足が武器ですし、若林も速い」

 金「マキノン、ペイトンといった新外国人選手はどう?」

 松「練習メニューに全部入るんですよ。チームとしてやっていることをやってくれるのは自分としてうれしいです」

 金「優勝争いのライバルは? 昨年は3位。今年は優勝を」

 松「どのチームも強いですが、やるからには優勝を目指します」

 金「その言葉が欲しかった。松井稼頭央が優勝したら、V旅行についていきますよ」

 ※注1 14日の練習中、松井監督が全選手の前で、3月31日のオリックスとの開幕戦(ベルーナD)での開幕投手を高橋にすると発表。高橋の背番号「13」にちなみ、2月13日13時13分13秒に通達した。

 ※注2 松井監督が掲げた今季のチームスローガン。走ることが原点であり、そこからすべてを変えていく。選手がベルーナDで躍動し、ファンと共にワクワクするような野球を作り上げるという思いを言葉に込めた。

 ※注3 リーグ2連覇を果たした97年、98年は1番・松井、2番・大友、3番・高木大といった出塁率が高く、走力のある選手が上位で活躍した。97年は盗塁王に輝いた松井の62盗塁を筆頭に大友が31、高木大が24を記録するなどチーム盗塁数はリーグトップの200(2位は近鉄の112)。98年も松井の43盗塁を始め、145盗塁でリーグ1位を記録した。

 ◆松井 稼頭央(まつい・かずお)1975年10月23日、大阪府生まれ。47歳。PL学園から93年ドラフト3位で西武に入団し投手から内野手に転向。スイッチヒッターとして活躍した。2004年に大リーグに移籍しメッツ、ロッキーズ、アストロズでプレー。11年に楽天入り。18年に西武へ復帰すると同年限りで引退し、2軍監督、1軍ヘッドコーチを経て今季から監督に就任。現役時代のタイトルはMVP1度、盗塁王3度など。日米通算2705安打。177センチ、85キロ。右投両打。

 ◆金村 義明(かねむら・よしあき)1963年8月27日、兵庫県生まれ。59歳。報徳学園3年時、81年夏の甲子園で4番・投手としてチームを優勝に導き、同年のドラフト1位で近鉄入団。プロ入り後内野手に転向し、強打の三塁手として活躍。中日、西武でプレーし99年限りで引退し、野球評論家として活動している。通算成績は1262試合出場で打率2割5分8厘、127本塁打、487打点。185センチ、90キロ。右投右打。

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