第３回はドラフト３位・渡辺翔太投手（２２）＝九産大＝。福岡六大学野球リーグで１９連勝をマークした「負けない男」が７色の変化球“レインボール”を駆使してデビューからの連続無敗記録達成を狙う。

　沖縄キャンプ第２クール最終日。渡辺翔はフルメニューを消化し、順調な仕上がりを見せた。

　最速１５１キロの直球に加えて多彩な変化球を操る。球界でも珍しいパームボールの使い手で元中日の浅尾を参考に改良を重ねてきた。「中学２年から１０年くらい投げている。抑えられる自信がある」という一番の武器で１２０～１３０キロの中で自由に球速差を生み出せ、落差が大きく空振りを取れるのが特徴。この他にもカーブ、スライダー、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、さらにダルビッシュ（パドレス）が開発した「スプリットとツーシームの間」のスプリームも習得。落ちながらシュートする独特の軌道を描く球も売りの一つとなっている。

　大学時代はリーグ戦１９連勝を達成。周囲からは「負けない男」の代名詞がついた。日本一に輝いた２０１３年。九州出身ながらソフトバンクの選手ではなく、プロ野球記録の２４連勝を打ち立てたマー君の背中に目を奪われた。「田中将大さんのように負けない投手を目指したい」。今はまだ何も結果を残せていないルーキーからすれば雲の上の存在だが「僕たちが話せるような人じゃない」といいつつ「結果を出して話を聞けるようになりたい」と大先輩から知識や経験をじかに学ぶのも目標の一つとした。

　強打者が多いパ・リーグで対戦したい打者はソフトバンク・柳田。「落ちる球できれいに空振りを取りたい」と地元のスター斬りをもくろむ。大事にしている言葉は北九州弁で「負けんちゃ」。「自分の投げる試合は全部勝ちたい」と意気込む。日本ハム・公文が持つデビューからの無敗記録（１８２試合）達成も「目標にしたいですね」と気合十分。歴史に残る投手を目指し、己を磨く。（長井　毅）

　◆渡辺　翔太（わたなべ・しょうた）２０００年１０月２９日、福岡・北九州市生まれ。２２歳。桜丘小３年でソフトボールを始め、富野中では八幡東ボーイズに所属。北九州高から九産大を経て２２年ドラフト３位で楽天入団。１８２センチ、９０キロ。右投右打。似ていると言われる芸能人は竹内涼真。

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