ロッテ・種市、フォークに好感触「めちゃくちゃ良かった」
ベースボールキング
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2023.2.10(金) 20:08
ロッテ・種市篤暉(撮影=岩下雄太)
◆ 1月はドライブライン&鴻江トレーナーの自主トレに参加「めちゃくちゃよかったです」。
ロッテの種市篤暉が10日、ブルペン入りし、ストライクゾーンからストンと落ちる素晴らしいフォークを投げ、本人も納得のいく投球練習となった。
1月にはアリゾナのドライブライン・ベースボールでトレーニングを積んだ。19年11月にもシアトルのドライブラインへ行き当時は動作解析でツーシームを取り入れたほうがいいのではないかと助言をもらっていたが、今回のアリゾナでのトレーニングでは「変化球を“たくさんこう握って、こう投げたほうがいいよ”というアドバイスをもらって、色々試しているところです。その中でフォークが一番よかったです」と明かした。
アリゾナで自主トレを行った後は、3年ぶりに鴻江寿治トレーナーが主宰する自主トレに参加。3年前の20年は「投げているなかで、このフォームだったら良いとか、この感じとかだったら悪いとかはわかりました」と当時話していたが、今回も「考え方は一緒ですけど、教えてもらうことは変わったので、新鮮というか色々聞けてよかったです」と振り返った。
19年、20年の取材で口にしていたのが、鴻江トレーナーの自主トレで教わった体の使い方を頭の中でイメージし、それを体で表現できるかどうかーー。それができたことで、18年まで動いていたストレートは動かなくなり、質の高いストレートを常時投げられるようになった。そして、19年にプロ初勝利を含む8勝を挙げるブレイクに繋げた。
今回は教わったことを頭の中でイメージし、現状ではそれを体で表現できているのだろうかーー。
「今は馴染ませている段階です。もうちょっとこうしたほうがいいかなというところはたくさんありますね」。試運転の状態で素晴らしいフォークを投げ込んでいるのに、フォークに限らずこの先どんな球を投げてくれるのか楽しみが増えるばかりだ。
◆ 柿沼がみた種市篤暉
“馴染ませている段階”と話した種市だが、19年に“柿の種バッテリー”で話題を呼び、20年にプロ初完封勝利した時もマスクを被った柿沼友哉は、現状の種市が投げるボールについてどう見ているのだろうかーー。
柿沼は「(第1クールで)1回受けましたけど、いいボールを投げていますね」と絶賛。「去年もファームで何回か組んでいますけど、手術をしてからボールも良くなっています。今年も1回受けて楽しみですね」と期待を寄せる。
10日のブルペンで種市がフォークについて「めちゃくちゃよかったです」と話していたことを柿沼に伝えると、柿沼も「フォークはよかったですよ」と第1クールで種市がブルペンに入った時にフォークの良さを感じ取ったという。
フォークが良かった理由に柿沼は「真っ直ぐがいいからフォークがいいという感じです」と分析し、「多分、もっともっと良くなると思うので、これから楽しみですね」と太鼓判を押した。
種市は19年にチーム最多の8勝を挙げ、20年には一時リーグトップの奪三振数を記録していたが、同年9月14日に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。昨季は2年ぶりに一軍での登板があったが、わずか1試合に終わった。それでも、マリーンズファンからの種市への期待は依然として大きい。
種市は「先発かリリーフかは言われていないですけど、僕の中ではローテを目指して1年間守り抜ける技術、体力、このキャンプでつけて1年間頑張りたい」と意気込む。24時間365日野球のことを考えることができ、向上心もあり、勝利への執念もある。今季は完全復活、いや進化した種市篤暉をファンの前で数多く一軍の舞台で披露してほしい。
取材・文=岩下雄太