オリックスの新人が続々と入寮 ドラ1・曽谷「開幕から戦力になりたい」

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2023.1.11(水) 05:04

“夢”を実現させたドラフト1位・曽谷龍平 [写真=北野正樹]

◆ 見事に叶えた「夢」

 オリックスの新人選手が10日、大阪市此花区の選手寮「青濤館」に入寮。

 この日は昨秋のドラフト会議で指名した育成5名を含む10選手のうち8選手が姿を見せ、ドラフト1位の曽谷龍平(投手/白鴎大)は「いよいよ待ちに待ったスタート。ケガをしないように身体をつくり、開幕から戦力になりたい」と表情を引き締めた。


 寮の印象については「とても過ごしやすい環境。寮生活はリラックスして、試合で良い準備ができるように過ごしたい」とのこと。

 入寮に際し、持参したのは「夢」の文字が書かれた扇子。これは地元・奈良県斑鳩(いかるが)町の自宅にあった法隆寺の扇子だという。

 今年は法隆寺地域の仏教建造物が国連教育科学文化機構(ユネスコ)の世界遺産に登録されてから30周年という節目の年。斑鳩町役場の総務部安全安心課課長である博一さんを父に持つ曽谷だけに、「斑鳩町出身で、節目の年でもあるので、斑鳩町や法隆寺をアピールしたい」という思いが込められていた。


 「夢」の文字にも特別な思いがある。

 小学2年生の文集では、「大きくなったら」というテーマに「ぼくがおとなになったら、プロやきゅうにはいりたいです」と書き、「8才のりゅうへい」から「20才のりゅうへい」に宛てた手紙には「プロ野きゅうのチームは、オリックスバハァローズにはいっています(原文のまま)」と、なんとオリックス入団を予言していた。

 「(プロ野球選手に)なれるとは思っていなかったが、コツコツとやれば夢は叶う。夢に向かって地道にやることが大事」

 奈良から秋田県(明桜高)-栃木県(白鴎大)を経て、8年ぶりに故郷に戻り実現させた夢。大学を経たこともあり、22歳と2年遅れにはなったが、不屈の努力があったのだろう。「プロ野球は、他とは違う世界。自分をしっかり持ち、日本を代表する投手になりたい」と前を見据えていた。


◆ それぞれの思いを胸に新天地へ

 高校通算53本塁打のドラフト2位・内藤鵬(内野手/日本航空高石川)は、「打撃が一番の持ち味で、飛距離にはこだわりがある。ケガをしたらもったいないので、ウォームアップをしっかりとして、アピールしたい」と意気込んだ。

 記者会見の際、右手で大事そうに持っていたのが、小学校時代の野球チームの代表との2ショット写真。中学1年時に急逝した代表から「強く振れ」「遠くに飛ばせ」と教えられたのが野球の原点といい、「お墓参りで『プロ野球選手になるから天国で見守ってください』と声を掛けて来た」という。


 ドラフト4位の杉澤龍(外野手/東北福祉大)は、プロ入りの挨拶で訪れた地元・秋田県小坂町の町長から贈られた地元産のワインと、小学校時代からのファンであるプロレスラー・三沢光晴選手のタオルを持参。

 「三沢さんの名言、お前『で』じゃなく、お前『が』いいんだよ。チームが困っている時に1本打って、『おまえがいいんだよ』と言われたい。活躍した時にワインを飲みたい」と、プロで躍動する姿を思い描いていた。


 ドラフト5位の日高暖己(投手/富島高)は「目標は山本由伸投手。一軍で投げられるよう、ケガをしない体つくりを目指したい」。

 このほか、育成1位の西濱勇星(投手/群馬ダイヤモンドペガサス)、同3位・入山海斗(投手/東北福祉大)、同4位・茶野篤政(外野手/徳島インディゴソックス)、同5位・村上喬一朗(捕手/法政大)も入寮。

 ドラフト3位の齋藤響介(投手/盛岡中央高)と育成2位の才木海翔(投手/大経大)は11日に入寮予定で、新人合同自主トレは13日から始まる。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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