打つだけじゃない!ロッテ・ポランコの“1つ先の塁を狙った走塁”に注目
ベースボールキング
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2023.1.2(月) 10:26
今季からロッテでプレーする巨人時代のポランコ (C) Kyodo News
ロッテは昨年12月27日に昨季巨人で24本塁打を放ったグレゴリー・ポランコの獲得を発表した。昨季チーム本塁打がリーグ5位の97本に終わり、ポランコの長打力に期待がかかるが、走塁面でも“相手の隙を突いた”走塁などを見せてくれそうだ。
巨人でプレーした昨季は、6月3日のロッテ戦、4-0の5回一死三塁の第3打席にレフトフェンス直撃の適時二塁打を放つと、続く増田陸が佐々木朗希のワンバウンドのフォークに空振り三振に倒れ、振り逃げを狙った増田陸を刺そうと捕手・松川虎生が一塁へ送球、これを見て二塁走者のポランコが三塁へ進む好走塁を見せた。
さらに6月19日の中日戦では、1-0の4回一死二、三塁から増田陸が放ったレフト前に落ちる当たりに二塁走者のポランコは判断良くスタートを切り、三塁走者の坂本勇人に続いてホームイン。
ロッテといえば、1本の安打で“1つ先の塁を狙った”攻撃を得意とする。昨季まで攻撃の中心を担ったレアードやマーティンも相手の隙を突いた走塁を何度も見せてきた。レアードは「あんまり速くはないですけど、走る方も一生懸命やっていきます」と言葉通り、21年5月30日の広島戦では角中勝也のセンターへのフライで三塁走者に続いて、二塁走者のレアードも三塁へタッチアップ、21年10月25日の日本ハム戦では空振り三振に倒れるも、捕手が後ろに逸らしている間に一塁へ全力ダッシュしセーフになったことも。
長打力を売りにする選手たちも積極的に狙う姿勢を見せ、井上晴哉は「足が遅いというところはあるんですけど、それは多分盗塁だけだと思う。走塁というのは相手の隙というか動き次第でなんとでもなる。走塁ではみんなと一緒にできるように自分で心がけています。あいつ無理か、いけないかではなくて、いってみてトライというのはまだまだやっています」と話せば、安田尚憲も「自分は足が速くないので、できることは限られているんですけど、そのなかで最大限努力していきたいと思っています」と、積極的に次の塁を狙った。
昨季シーズン後半から一軍に定着した茶谷健太は「(1つ先の塁を狙うことを)意識していたというより、チーム全体でやっている。みんな一緒だと思います」と、井口資仁前監督が指揮した5年間で“1つ先の塁を狙う走塁”をチーム全体で浸透した。
今季から吉井理人監督が就任し、どのような攻撃を見せるかわからないが、ロッテの武器のひとつである先の塁を狙う走塁。もちろん、チームとしてポランコに期待している部分は長打力だが、相手のミスや1本の安打で一塁や二塁からホームに戻ってこれる判断力があるのは、攻撃面でみればプラスだろう。
入団にあたって、ポランコは球団を通じて「2023年シーズンに日本に戻って来ることができ、マリーンズの一員としてファンの皆様の前でプレーできることにワクワクしています。監督、コーチ、チームメイトに早く会って一緒に野球ができることを楽しみにしています。これまで以上に最高のパフォーマンスを発揮できるよう全力を尽くすことを誓います。皆様、一緒に日本一になりましょう!」とコメントしている。攻撃とともに、走塁でも貢献できれば、チームの得点力はアップするはずだ。
文=岩下雄太