オリックス8日は主力5選手が契約更改 紅林は“目標”禁じられるも「20本は絶対に打ちたい」

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2022.12.8(木) 20:00

8日に契約更改したオリックスの紅林(中央)、宗(左上)、杉本(左下)、T-岡田(右上)、福田(右下)[写真=北野正樹]

◆「退寮」はウソ?ホント?

 オリックスの紅林弘太郎(20)が8日、契約更改交渉に臨み、1320万円増の4200万円(※金額は推定)でサインした。

 3年目の今季、130試合に出場し打率.224、本塁打6本と昨季(136試合/打率.228/10本)より数字を落としたが、1000万円以上の増額に「本当に悔しいシーズンで、優勝以外はいい思い出がなかった。そんな中で非常にいい評価をしていただいた。球団の方には感謝しかありません」。

 球団からは「もう少しやれる。来年は期待している」と言われたそうで、「2年間、一軍で使ってもらいながらなかなか結果が出ない中で、そう言ってもらえ、期待に応えるだけです」と表情を引き締めた。


 期待されているのは、もちろん打撃。

 「課題は守備もそうですが、打撃をメインに変えていきたい。もう少し打撃で貢献したいので、来年は成長した姿を見せたい」という。

 今季、打率3割を目標に掲げて臨んだ。しかし、「結果を残さなければいけないと思い過ぎて、春先から結果が出ない日々が続き『なんでだろう』と。自分に期待し過ぎた部分がありました。そんなに実力がないですし、結果を求めず1打席、1打席頑張っていきたい」と振り返る。

 目標は掲げない。「今年の打率3割は、目標が高すぎました。監督にも『あまり数字を言うとお前はダメになる。数字は口に出すな』と言われています」。

 それでも打率3割を目指すことは変えず、打撃3部門では本塁打を意識する。「ショートで打率3割も大事ですが、本塁打を打てる人は少ない。20本は絶対に打ちたい。20本打てたら、30本打てるようにしたい」と、自慢の力強いスイングで本塁打量産を誓った。


 4年目を控え退寮したように伝えられたが、「僕が寮を出たと宮城(大弥)が言ったようですが、逆なんです。宮城が出て、僕はまだなんです。びっくりしました」と反論。高卒同期で仲のいい2人のことだから、面白おかしく話を広げることもあり、どちらが本当かは分からない。

 紅林も1人暮らしは考えているといい、ネックになるのは食事面。「調理器具は買っても、包丁を使ったことがないので自炊は多分出来ません。でも、球団の方も心配しているので、自炊します」と独立を宣言した。


◆ 杉本はメジャー移籍の吉田にエールも

 8日には紅林のほか、宗佑磨(26)が2100万円増の7800万円で更改した。130試合に出場し、打率.271、5本塁打、43打点。「いつも目標にする3割、2ケタ本塁打に近付けるよう、オフもしっかりとトレーニングをしたい」と話した。

 福田周平(30)は、1500万円増の7200万円でサイン。「1番・中堅」で切り込み隊長として活躍し、外野手転向2年目でゴールデン・グラブ賞も受賞した。「リードオフマンとして得点につながり、守備面も評価していただいた」と笑顔。写真撮影の際に掲げたのは「突破」と記した色紙。「5年目の節目で、この数字(打率.268)には納得出来ない。今までの自分の殻を打ち破って全体のレベルを上げたい」と意気込んだ。

 杉本裕太郎(31)は200万円増の7200万円で更改。105試合で打率.235、51打点、15本塁打と成績は下げたが、日本シリーズでMVPに輝き、「シーズン中は好不調の差が激しかったが、球団から『ポストシーズンではよく打ってもらった』とほめてもらった」とほほを緩めた。

 大学の後輩で、ともに中軸を任されていた吉田正尚がメジャーに移籍することについて「ずっと一緒にやって来たので自分のことのようにうれしい。彼なら絶対に活躍すると思う。その(抜けた)穴を埋められるように頑張りたい」とエールを送った。

 T-岡田(34)は2200万円減の7200万円でサイン。ケガなどで36試合で打率.149、1本塁打にとどまった。復活に向け「やることはたくさんあるので、1日も無駄に出来ない。いい準備をして、何とかチームの力になりたい一心です」と、18年目のシーズンに捲土重来を誓っていた。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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