森友哉がオリックス入団会見「すべての言葉が響いた」地元で3連覇へ…想い語る

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2022.11.26(土) 18:06

「すべてが響いた」と笑顔の森友哉[写真=北野正樹]

◆「金額や契約期間ではない」決断の理由

 西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使し、オリックス入りが決まった森友哉(27)が26日、大阪市内のホテルで入団会見し「金額や契約期間ではなく、『来てほしい』という気持ちなど、すべての言葉が響いた。3連覇に貢献したい」と語った。背番号は「4」に決まった。4年契約で総額約20億円(推定)。

 森にとって、FAでのオリックス入りは必然だったのだろう。小学6年生以来、約15年ぶりに袖を通した「Buffaloes」のユニホームに違和感はなかったように見えた。

 大阪府堺市出身で、小学6年時にオリックス・ジュニアの投手兼捕手として12球団ジュニアトーナメントで優勝。大阪桐蔭高2年時に藤浪晋太郎(阪神)とバッテリーを組んで春夏連覇。3年時は主将として春夏連続で甲子園出場。高校通算41本塁打をマークし、「強打の捕手」としてドラフト1位で2014年、西武に入団した。1年目は41試合出場ながら6本塁打を放つなどして活躍。2019年には打率.329で、捕手として史上4人目の首位打者のタイトルを獲得したほか、23本塁打、105打点でパ・リーグMVPに輝いた。

 大阪で生まれ、大阪で野球人としての基礎を作ってもらったという思いからだろう。記者会見では、オリックスと大阪を思う言葉が溢れた。

 「オリックス・ジュニアに所属し、小さいころからなじみのある球団ですし、中嶋聡監督のもとでプレーし、まだまだレベルアップ出来ると思いました」と入団を決断するまでの思いを語った森。「堺市出身なので、大阪はもちろん、堺市も盛り上げていきたい」と、郷土愛が口を突いた。


◆ 京セラ好相性「雰囲気が好き」

 「『森君の力が必要だ』とずっと伝えてきました。本当にうれしくてほっとしています。打撃だけでなく、守備面でも苦しめられた選手。今年も優勝はしましたが、これからも強いチームを作っていくことが必要」と、森獲得への思いを語った福良淳一GM。

 森も「契約年数は特別意識していません。金額よりも『来てほしい』という気持ちが決め手になりました」といい、FA宣言選手との交渉が解禁された11日からわずか6日でのスピード合意は、当然だったのだろう。

 中嶋監督とは交渉の席で同席しておらず、オリックス入りを決めた後も話はしていないそうだが、「まだまだ成長しなければいけないのでいろいろ教えていただきたい」と、早くも直接指導を熱望した。

 オリックスの印象は「投手陣の層が厚く、打線も1番から9番まで切れ目がなく、捕手の立場からは苦労する打線だと毎年感じていました」という。

 新たに本拠地となる京セラドーム大阪。今季の打率は.348と、最も相性がいい。

 「雰囲気が好きですね。球場内の色合いというか景色が好きなんです」といい、ファンに向けて「1年間を通じて期待に応えたい」と活躍を誓った。


◆ WBC参加は…新天地でのスタートへ「不安もある」

 来季は、エース山本由伸とバッテリーを組む場面も出てくるが「対戦するのが嫌だと思っていたし、打席に立ちたくないと思っていたので、自分がリードをするイメージはわきませんでした」といい、「(加入で心強いと言われていることに対して)こちらもメチャメチャ心強いですよ。そう言ってもらえるような活躍をすることが大事なので、しっかりと準備をしたい」

 背番号「4」は、福良GMによると森の希望だった。「自分のラッキーナンバー。(今季で引退した)メジャーのヤディエル・モリーナ(カージナルス)に憧れ、ずっとつけたかった番号なのでうれしい」と言葉を弾ませた森。

 会見中で唯一、慎重に言葉を選んだのが、来年3月に予定されているWBCへの対応だった。

 「難しいですね。どうなんやろ。メチャクチャ難しいですね。日本代表としてプレーしたい気持ちはありますが、2月、3月は大事な時期。そこに行ってシーズンを100%で迎えられるのか、不安もあります。まず、チームに溶け込み、開幕戦に向けていい準備をすることだけを考えたい」。

 侍ジャパンへの強い思いがある一方で、必要とされ迎えてもらったオリックスでベストの状態を保ってシーズンに臨み活躍することが、オリックスだけでなく育ててくれた西武への恩返しにつながるという強い思いがあるからだろう。

 オフは、沖縄で金子侑司(西武)らと自主トレの予定だという。

 オリックスは、主軸の吉田正尚のポスティングシステムによるメジャー移籍を容認しており、福良GMは今後の補強について「いろんなところに興味を持ってやっていこうと思っています」と、さらなる大型補強の可能性も示唆した。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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