【侍ジャパン】佐々木朗希、フォーク制球に苦戦でも無失点 吉井投手コーチ「直球も変化球も5割の仕上がり」

スポーツ報知

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2022.11.11(金) 06:01

3回を投げ終え、岡本和(右)とタッチを交わす佐々木朗希(カメラ・岩田 大補)

◆侍ジャパンシリーズ2022 オーストラリア0―9日本(10日・札幌ドーム)

 「侍ジャパンシリーズ2022」のオーストラリア戦(札幌D)で、ロッテ・佐々木朗希投手(21)がトップチーム初登板初先発し、最速159キロで4回4安打無失点と上々のデビュー。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、大谷、ダルビッシュ、山本、今永らとのハイレベルな先発争いに名乗りを上げた。打っては巨人・岡本和真内野手(26)が天井直撃の二塁打など猛打賞。4試合で打率5割4分5厘と、本大会のメンバー入りをアピールした。侍ジャパンは強化試合4試合を全勝で終えた。

 苦しんだことこそが収穫だった。トップチームデビューの佐々木朗は、毎回走者を背負いながらも4回4安打無失点。初めて試合で投げたWBC球の制球は試行錯誤だったが、「試合途中で直球はだいぶ修正できたと思いますし、フォークも最後はだいぶよかった。こういった課題が出ることも、いい経験になったし、よかったかなと思います」とホッとしたように振り返った。

 NPB球よりも滑りやすいとされるWBC球。序盤はフォークの制球に苦しみ、高めに浮いた。そんな中でも「抜けやすいので、力を入れるタイミングだったりは工夫しました」。4回は15球中7球フォーク。「何かつかんで終わりたかったので多く試した」と、この回だけでフォークで3つの空振りを奪った。最速159キロで2三振ながら、課題に向き合うことを優先した。

 レギュラーシーズン最後の登板は9月26日のソフトバンク戦(ペイペイD)。1か月以上の間隔が空き、実戦形式は1日のシート打撃だけだった。ロッテで監督を務める吉井投手コーチも「本人の調子は今ひとつで、直球も変化球もおそらく5割くらいの仕上がりだったと思う」と分析。本来の力を発揮できたとは言えないかもしれないが、朗希は「まずはこの雰囲気で、このユニホームで試合に投げられたことが一番収穫」と前を向いた。

 WBCの先発入りに名乗りを上げた形となった。強化試合4試合で石川、与座、今永が先発してきたが、4人の中で唯一の無失点。本大会でパドレス・ダルビッシュ、エンゼルス・大谷、オリックス・山本らトップクラスの面々が選出される可能性があるが、最速164キロ右腕のポテンシャル、伸びしろは無限大だ。栗山監督も「(ボールの)滑りだったりも確認して、逆に課題がはっきりした。すごく意味のある試合だった」とさらなる成長を願った。

 3年目を終えたばかりの21歳。侍ジャパンの活動中は、同学年のオリックス・宮城と多くの時間を過ごした。WBCメンバー発表前の強化試合は全て終了。来春へ向けて、令和の怪物は「選ばれるかどうかまだ分かりませんが、自分ができる準備を最大限していきたいと思います」と決意を口にした。(安藤 宏太)

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