【オリックス】中嶋聡監督、イチロー&仰木彬監督に次ぎ球団3人目の正力賞「名前あっていいのかな、俺」

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2022.11.9(水) 05:15

正力松太郎賞を受賞したオリックス・中嶋聡監督

 プロ野球の発展に貢献した監督、選手らに贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、都内で行われ、オリックスを26年ぶりの日本一に導いた中嶋聡監督(53)が初めて受賞した。特別賞には日本選手シーズン最多を更新する56号を放ち、最年少で3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手(22)が選ばれた。本賞を巡り、選考委員の意見が真っ二つに分かれる異例の激戦の結果だった。中嶋監督に賞金500万円とメダル、特別賞には賞金300万円とメダルが贈呈される。

 中嶋監督は照れ笑いを浮かべながら喜んだ。高知秋季キャンプで指揮を執る指揮官は、同市内の宿舎で正力賞の初受賞を聞いた。球団では94、95年のイチロー、前回日本一の96年の仰木彬監督に次ぐ3人目の受賞。「イチロー君ですよ?仰木さんですよ?そこに名前があっていいのかな、俺…」と謙遜し、「本当にうれしい。喜ばしいことだと思います」と目尻を下げた。今年は日本新記録の56本塁打を放ったヤクルト村上と選考委員の意見が割れた中での選出だった。中嶋監督自身も「チームが優勝して日本一になって、一応、監督なのでもらったのかなと。村上君や山本由伸とか、3冠王、2年連続(投手)4冠とか。そのメンバーが素晴らしいと思うのですけど…いいのでしょうか、私で」と選手を“推薦。だが、19、20年と連続最下位だったチームをリーグ2連覇させ、今年は26年ぶりの日本一に導いた手腕が高く評価された。選手の状態を日々見極め、枠にとらわれない起用法で選手の本来の力を開花させた。今季の打順も143試合で141通りと、仰木監督が得意とした猫の目打線をほうふつとさせるものだった。天国の仰木さんへの報告について問われたが、「優勝しました、ぐらいですかね」と控えめで、「この賞はチームでもらったと思っている」とチーム全員での受賞を強調した。日本一に輝いた直後から「まだまだ強くなる」と若手の底上げを課題とし、秋季キャンプに臨む。「慢心している場合でもない。今やるべきことをちゃんとやる」。王者だが謙虚に、来季も熱い戦いで野球界を盛り上げる。(玉寄 穂波)

 ◇正力松太郎賞 1934年に日本初のプロ野球チーム・大日本東京野球倶楽部(現巨人)を創設し、日本のプロ野球発展に大きな功績を残した故・正力松太郎氏(元読売新聞社社主)を記念し、77年に制定された。その年の日本プロ野球界で最も貢献した競技者(監督、コーチ、選手、審判)に授与される。

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