【オリックス】コーチ兼任の能見篤史が明かす強さ 中嶋監督には「想像できないような『ひらめき』が…」

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2022.10.31(月) 12:12

山本由伸(左)らにビールをかけられる能見篤史

 今季限りで現役を引退する能見篤史投手兼任コーチ(43)がオリックスの強さの秘密を分析した。阪神から加入後、2年連続のリーグ優勝、今年は日本一を経験。コーチ兼任の立場から中嶋監督の魅力や、投手陣の成長などに触れた。(取材・構成=長田 亨)

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 20年を最後に阪神を退団し、コーチ兼任で貢献してきた。日本一は初体験。それでも能見は冷静だった。

 「正直、強いとは思っていないんです。まだまだ(チームとして)完成もしていない。でも、こうやって優勝、日本一を味わっている。不思議な感じです。宇田川が日本シリーズで投げるなんて、誰が想像しましたか?」

 育成出身の宇田川や山崎颯ら、若手の台頭に欠かせない一人が、主にフィジカル面を担当している中垣征一郎巡回ヘッドコーチ(52)だ。育成統括GM補佐兼GM補佐兼パフォーマンス・ディレクターとして19年に入団。昨年から同職を務め、13年から4年間在籍した日本ハム時代に関わったダルビッシュや大谷も信頼を寄せる存在だ。

 「ファームから報告をするのが中垣さんで、情報共有を大事にされている。ただ状態がいいだけでは、1軍に上げられないので。その選手をチームに当てはめた時、何がプラスアルファとして働くのか。常にいろいろなことを考えておられる。中嶋監督は、上げたらすぐに使うので」

 中嶋監督も日本ハム時代にコーチ兼任を経験した。9月に引退を報告し「ほんまに辞めるの? もっとあがけよ」と言葉をくれた。

 「コーチ会議にも入りますけど、監督のために…というのをすごく感じます。オーダーも意外と、コーチに決めさせたりするんですよ。選手も監督に冗談を言えますし、でも違う方向に行くような選手にはキツく言う。ちゃんと見てるんですよ、全部を」

 大胆な起用はマジックと言われる。昨年からそれらは、見事に当たってきた。

 「体調管理、無理をさせない、というのがベースにあると思います。その中で想像できないような『ひらめき』というのが結構ありました。監督の中で何かあるんでしょうね…。負けたら終わり、というところで勝てるんですから。何でそんなにうまくいくの? って今でも思ってます。ただ一つ言えるのは、チームとが一体化しているということ。僕自身もオリックスに来て勉強になりましたし、本当にいろんな人たちに恵まれたと思っています」

 ◆能見 篤史(のうみ・あつし)1979年5月28日、兵庫県生まれ。43歳。鳥取城北高から大阪ガスを経て、04年ドラフト自由獲得枠で阪神入団。12年に最多奪三振。13年の第3回WBCで日本代表。年オフに阪神を退団し、投手コーチ兼任でオリックスへ。180センチ、74キロ。左投左打。年俸4500万円。既婚。

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