【オリックス】日本一王手!山崎福也から史上初の“スミ1安打”リレー
スポーツ報知
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2022.10.30(日) 05:00
◆SMBC日本シリーズ2022 第6戦 ヤクルト0―3オリックス(29日、神宮)
オリックスが第4戦に続いてヤクルトを完封で破り、3連勝で26年ぶりの日本一に王手をかけた。エース・山本由伸投手(24)が左脇腹痛で登板を回避するなか、先発左腕・山崎福也投手(30)が5回1安打無失点の快投でシリーズ初白星。宇田川らリリーフ陣も盤石で、初回の1安打のみに抑える好リレーを見せた。打っては杉本裕太郎外野手(31)が6回に決勝打。30日の第7戦(神宮)で一気に逆転4連勝Vを狙う。
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強い気持ちを左腕に乗せた。山崎福が喜びをかみしめた。「日本シリーズで2回投げられる。うれしさがあった。勝ちが付くに越したことはないので、うれしいですね」。5回を1安打無失点に抑え、球団のシリーズ先発投手では1996年第3戦の野田浩司以来、26年ぶりの勝利投手に。日本一に王手をかける役目を果たした。
「本当に楽しみな気持ちでマウンドに上がった」。初回の先頭・塩見に中前打を許しただけ。4回1死で山田、村上に連続四球を与えても、慌てずに仕事をした。「特にうまく投げることができた」と実感したチェンジアップでオスナを遊ゴロ。2死一、三塁でも、中村を左飛に仕留めた。
第6戦先発予定だったエースの山本が、左脇腹痛によって登板を回避。先輩として「いつも由伸に頼っている」と中5日の出番に燃えた。今シリーズ2度の登板はともに神宮で、計9イニングを無失点だ。
この日は日大三高の恩師・小倉全由監督(65)も観戦に来てくれた。在学当時は金属バットの音で目が覚め、朝6時から練習を開始。打者として日本ハムの小笠原にあこがれた。2010年のセンバツはエースとして準優勝し、大会記録に並ぶ13安打も記録した二刀流。今シリーズ第2戦で適時打を放ったバットで、この日も3回無死一塁から送りバントを決めた。
日本シリーズ前の練習帰り。大阪市内で、ひときわ大きな背中を見つけた。「山崎です。オリックスで投手をやっています」。背筋をピンと伸ばし、あいさつした。偶然が重なり、清原和博さんとばったり出会った。「背番号、11番か。日本シリーズ、頑張れよ」。西武、巨人で大舞台を経験し球団OBでもある偉大な先輩。強く握られた手に感激し、確かな力をもらった。
「背水の陣!」と中嶋監督に背中を押されたのが、1勝3敗で迎えた昨年のシリーズ第5戦。6回途中を2失点と粘り、最後に逆転勝ちを呼んだ。1年後の頂上決戦で、さらに成長を示す快投。6回からは、第5戦でベンチを外れた宇田川、山崎颯に平野佳、ワゲスパックの4人でつないだ。被安打が初回の1本だけの“スミ1安打”完封リレーはシリーズ初。第4戦に続き、シリーズ2度目の完封勝利は球団初だ。
「最高の投球。本当によく投げてくれた」と褒めちぎった指揮官だが、「あした(ヤクルトが)勝ったら、向こうが王手。なってみないと分からない」と鉄仮面を崩さなかった。日本一確率19%だった2敗1分けから、3連勝。96年以来の栄冠は、もう目の前にある。
(長田 亨)
◆ちょっといい話
山崎福の風向きが変わったのは2020年だった。新型コロナの影響で開幕が遅れ、大阪・舞洲で自主練習していたある日。当時の別府ブルペンコーチ(現育成統括コーチ)が端的に指摘してくれた。「腕が上がってないぞ」。前年までの5年間で10勝。ビジターで炎上し、試合中に強制送還されることも一度ではなかった。苦しむドラ1左腕の助けになればと、いつも投球映像を見てくれていた。
自身では気づかなかったポイント。「肘の使い方。肘を回すように投げる」と意識するようになった。同年の5勝で弾みをつけ、昨年は自己最多8勝。球速、変化球のキレともに向上した。入団時の背番号17から0へ変わり、今は11番をつけているが「あの時のアドバイスがなければ、どうなっていたか…」と感謝。恩人にも快投を届けた。(オリックス担当・長田 亨)
◆第8戦が行われる場合 第7戦と同じ神宮で31日に行われる。さらに第9戦にもつれ込んだ場合は、11月1日の移動日をはさみ、2日にほっと神戸で開催される。第8戦以降は、延長無制限で行われる。
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