オリックス・宇田川を支える“経験” 厳しい局面での登板「自信に繋がった」

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2022.10.27(木) 14:02

5回途中から2番手で登板し、好救援したオリックス・宇田川(C)Kyodo News

◆「考える時間もなくマウンドに…」宝刀冴え渡りピンチ脱出

 オリックスは『SMBC日本シリーズ2022』第4戦で初勝利。今季台頭してきた育成出身の右腕・宇田川優希が好救援でチームを救った。

 先発の山岡泰輔が5回一死三塁のピンチを招いた場面で登板すると、山崎晃大朗と山田哲人を2者連続三振。打球によっては内野ゴロでも同点とされるピンチを首脳陣の思惑通り「三振」で切り抜けた。

 ブルペンでは「『早くから行くかもしれないよ』と言われてて、心の準備はできていた」そうだが、「実際は走者が出てから作りはじめて、結構すぐだったんで、考える時間もなくマウンドに上がって、自分の投球だけ(考えていた)」という。ポーカーフェイスの投球はいつも通り。会心の好リリーフだった。

 しかし、変わらぬ表情の裏で“焦った”場面もあった。イニングを跨いだ6回表、「すごく楽しみにしていた」という村上宗隆との対戦で四球。その後、自ら一打同点のピンチを招いてしまった。

 それでも、終わってみれば2イニング連続の2者連続三振でピンチ脱出。伝家の宝刀フォークと、150キロ超のストレートだけで、ヤクルト打線を封じてみせた。

 「1―0だったので、日本シリーズ1勝もしてなかったので、そういう焦りもありましたけど、最後は自分の投球を貫き通せた。そこは本当に一軍に上がってから、何度かピンチがあったと思うんですけど、何回か抑えることが出来て、それが自信に繋がった。今日も焦らずピンチでも自分の投球が出来たのかなと思う」

 20年育成ドラフト3位で入団し今年7月に支配下昇格。デビューイヤーの今季は19試合で2勝1敗3ホールド、防御率0.81と、短期間で驚異的なインパクトを残す活躍を見せ、いまやオリックスブルペンに欠かせぬ存在になった。

 いまだ来季の新人王資格を残すほどの場数しか踏んでいないが、一軍昇格後の3カ月でチームの勝敗に直結するような厳しい局面でも登板。一軍マウンドでの濃密な経験が、大舞台でも動じぬ宇田川の自信に繋がっている。

 これでシリーズ1勝2敗1分け。今夜の第5戦に勝てば2勝2敗のタイになる。今後もチームを救う活躍が期待される宇田川は「今日勝てたのは良かったんですけど、まだ負け越しているので、慎重にならずに強気な気持ちでいきたい」と次回登板を見据え意気込んだ。

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