シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会（堀内恒夫委員長＝元巨人）が２４日、都内で行われ、オリックス・山本由伸投手（２４）の２年連続２度目の受賞が全会一致で決まった。２年連続の選出は１７、１８年の巨人・菅野智之投手（３３）以来、史上６人目。

　山本がまた、投手としてのステータスを上げた。２年連続の受賞は史上６人目、パでは初の快挙。「一年間を評価してくれる賞なので、やりがいを感じます。素直に、とてもうれしく思います」。日本シリーズの最中でもあり、球団を通じて喜びのコメントを発表した。

　「一日一日を大切にし、真剣に練習、調整をして、毎試合必死に投げた結果だと思います」。昨季に続き、１５勝以上、１５０奪三振以上、防御率２・５０以下、登板２５試合以上、勝率６割以上の選考５項目をクリア。開幕から先発ローテの中心を担って１０個の貯金をつくり、リーグ連覇の原動力となった。

　ソフトバンク・千賀らがクリアしたのは３項目と、右腕の成績は傑出していた。６月１８日の西武戦（ベルーナＤ）で初のノーヒットノーランを達成。５回持たずに降板したのは１試合もなく、７月２３日のソフトバンク戦（京セラＤ）から１０戦負けなしの６連勝でシーズンを走り抜けた。

　１５勝、防御率１・６８、勝率７割５分、２０５奪三振、２完封で史上初の２年連続「投手５冠王」を獲得した。最優秀バッテリー賞に次ぎ、これで「７冠」だ。来年３月に開催されるＷＢＣでも活躍が期待され、ロッテ・佐々木朗、同僚左腕の宮城ら、後輩の高い壁になり続けている。

　２２日の日本シリーズ第１戦（神宮）では左脇腹に違和感を覚え、４回０／３を４失点でポストシーズン初の敗戦投手になった。予定されていた第６戦の先発は微妙でも、回復へ全力を尽くすつもりだ。「より高みを目指して、もっといい投手になるために、もっともっと野球と向き合いたいです」。３年連続で受賞したのは国鉄・金田正一（５６～５８年）だけ。謙虚に、真っすぐに上る。（長田　亨）

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