【オリックス】山崎福也、4回0封&投手の勝利打点36年ぶり偉業寸前でまさかの同点

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2022.10.24(月) 06:03

右前に適時打を放つ山崎福(カメラ・今成 良輔)

◆SMBC日本シリーズ2022 ヤクルト3―3オリックス=延長12回=(23日、神宮)

 悲しそうに左翼席を見つめた。三塁ベンチのオリックス・山崎福也は動けなかった。3点リードだった9回。内山壮真の同点3ランがスタンドへ吸い込まれた。そのまま勝てば、投手では1986年の工藤(西武)以来となる勝利打点―。36年ぶりの偉業寸前で、まさかの展開が待っていた。

 DHのない敵地・神宮での第2戦。中嶋監督が起用した理由はバットを持った時、投球にも好影響をもたらす躍動感だった。本業は4回を無失点。「何とか抜けてくれてよかった」と、期待通りに打者でも貢献した。3回1死三塁で先制打。サイスニードの初球チェンジアップに食らいついた。前進守備の一、二塁間を抜け、一塁ベース上でガッツポーズ。両チームともに無得点だった状況を打開した。

 2010年に日大三でセンバツ準優勝。今も大会タイ記録として残る13安打を放った。通算20勝を挙げた明大でも打率2割6分4厘。今季も交流戦で安打を放ち、打者としても代打起用されるほどだった。CS最終ステージ後の練習日には、こっそりと京セラDの室内練習場で打撃練習。「楽しみながら投げたい」とベストを尽くしてきた。

 巨人などで活躍した父・章弘さんに譲ってしまったため、この日のバットと革手袋は後輩左腕の宮城に拝借したもの。仲間の力を借りた大舞台で、オリの「二刀流」が爪痕を残した。(長田 亨)

 ◆オリックス山崎福の学生時代の打撃メモ 日大三のエースだった10年センバツでは準優勝。興南・我如古(がねこ)盛次とともに、95年の観音寺中央・室岡尚人に並ぶ大会通算13安打をマークし、今も破られていない。同大会は打率5割6分5厘。明大では東京六大学リーグ通算打率2割6分4厘、1本塁打、12打点。2年春には「5番・一塁」のスタメン出場もあった。

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