【日本ハム4位】常葉大菊川151キロ右腕・安西叶翔、新庄イズム「明るく楽しい野球についていきたい」

スポーツ報知

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2022.10.21(金) 07:38

日本ハムに4位指名され、笑顔を見せる常葉大菊川・安西(中央)

◆2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(20日)

 常葉大菊川高の151キロ右腕・安西叶翔投手(3年)が日本ハム4位で指名された。同校からプロ入りは14年の桑原樹(広島5位)以来。「明るく楽しい野球についていきたい」と新庄剛志監督(50)のイズムをいち早く吸収することを誓った。

 心拍数が一気に上がった。午後6時20分過ぎ、画面に自身の名前が浮かぶと、常葉大菊川・安西は隣の両親と見つめ合った。「おめでとう」の言葉が胸にしみる。待ちに待った指名は日本ハム4位。「プロで活躍するのが夢だった。1軍でローテーションに入って勝利に貢献していきたい」。名前通りに、夢をかなえた。

 新天地でビッグボス流を学ぶ。球団の印象を問われると「明るく楽しい野球をする。その野球についていけたら」。5位では学校OBの奈良間も指名された。シーズンオフには母校を訪れた先輩と一緒に練習したこともある。「偉大な尊敬している先輩。お互いに高め合っていきたいです」と“菊川タッグ結成”を心待ちにした。

 入学時は体重70キロ台と細身で球速も120キロ台の“普通の投手”。転機は2年時にやってきた。新チームは秋季地区1回戦で敗退。以降、フォームを見直す中でたどり着いたのが「スリークオーターとサイドの中間」から繰り出す形だ。身体とマッチしたフォームが奏功し、この時点で自己最速の147キロを記録。プレートの三塁側端から踏み出すことで角度をつけ、左打者も内角を厳しく突くことができる。受ける捕手から「捕るのが怖い」と声が漏れるほどのボールを身に付けた。

 苦い記憶とも向き合ってきた。中学1年の夏、右肘を痛め約1年半も投げられなかった。「野球ができなくて苦しい思いをした」。高校入学後はインナーマッスルを鍛え、投球後のストレッチ、アイシングは欠かさない。3年間大きな故障と無縁のまま、最速を151キロまで伸ばしてみせた。

 20年春の就任後、教え子を初めてプロに送り出す石岡諒哉監督(33)は「壁に当たりながら一つ一つ積み上げた結果。将来が楽しみ」と期待を込めた。「ここがスタートライン」と力強くうなずいた安西の物語は、北の大地で第2章を迎える。(武藤 瑞基)

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