【ドラフト注目選手】(1)白鷗大・曽谷龍平はコロナ禍で「何か変えないと」努力で球速11キロUP

スポーツ報知

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2022.10.16(日) 07:00

オリックスが1位指名を明らかにした白鴎大の最速151キロ左腕・曽谷龍平投手

 プロ野球ドラフト会議が20日に行われる。ずば抜けた存在が見当たらない今年は、これまでに6球団が1位指名選手を公表する異例の展開に。スポーツ報知では、個性輝く5人の有力選手を連載で紹介する。第1回は、オリックスが1位指名を明らかにした白鴎大(関甲新学生リーグ)の最速151キロ左腕・曽谷龍平投手(21歳)。

 力感なくスリークオーターから投げ込む曽谷の最速151キロの直球は、球速以上に威力がある。切れ味の鋭いスライダー、ツーシームも操る、高い奪三振能力を持った左腕だ。

 8日の上武大戦は11球団18人のスカウトが熱視線を送った。ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「右打者の内角への角度がいい。ナンバー1左腕」と絶賛。14日にはオリックスが1位指名を公表した。

 大学で大きく飛躍した。秋田・明桜高時代は甲子園に出場したが、全国的には無名の存在。大学入学後も制球難などで結果を残せなかった。大きな転機は2年の春。新型コロナウイルスの影響で春のシーズンが中止になり、自分自身と向き合う時間が増えた。「このままではもったいない。何かを変えないといけない」。曽谷の心に火がついた。

 食事を1日6食に増やし、筋トレなどで下半身を徹底的に強化。フォームも試行錯誤を繰り返した。地道な努力が実を結び、高校時代は140キロがMAXだった球速は151キロにアップ。制球力も向上し、プロ注目の投手へと進化を遂げた。

 プロの世界で勝負する覚悟も決まった。今夏、大学日本代表に選出されハーレムベースボールウィークに出場。国際舞台で3試合3回無失点、7奪三振と結果を残した。自信を深め、「プロに挑戦したい気持ちが大きくなった」とプロ志望届の提出を決断した。

 次のステージでは球友が待っている。ロッテの若き主砲候補の山口とは高校の同期。高校時代、投手だった山口とは一緒に高め合っていたという。現在でも連絡を取り合う仲で「直球で勝負したい。楽しみ」。対決を心待ちにしている。

 ドラフト会議まで残り4日。ドラフト1位候補として評価は高まるばかりだが、本人は冷静だ。「まだまだ下手くそなので、1日1日の練習を大切にしていくだけです」。大学NO1左腕は自然体で、その時を待つ。

(宮内 孝太)

 ◆曽谷 龍平(そたに・りゅうへい)2000年11月30日、奈良・斑鳩町生まれ。21歳。斑鳩小1年から野球を始め、斑鳩中では志貴ボーイズで全国8強。明桜では1年夏からベンチ入り。2年夏に控え投手として甲子園出場。白鴎大では3年春に最多奪三振、3年秋に優秀選手賞、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、ベストナインを獲得。今春の松本大戦でノーヒットノーランを達成。50メートル走6秒3。遠投110メートル。182センチ、80キロ。左投左打。

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